毎月親に仕送りをしていますが、正直自分の家計も大変です。親に仕送りをしている人は毎月いくらお金を渡しているのでしょうか?
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
親への仕送りは月5万6000円
まずは、仕送りの金額を確認していきます。令和4年の国民生活基礎調査によると、親への仕送りのみをしている世帯において、1世帯当たりの平均仕送り額は5万6000円となっています。
さらに仕送り額別に世帯数を見ていくと、最も多いのは親への仕送り額が月2~4万円未満の世帯です。次いで多いのは、仕送り額が月4~6万円未満の世帯となっています。
親へ仕送りしている世帯数は113万8000世帯
次に、親へ仕送りをしている世帯数と、仕送りをしていない世帯数を比較してみましょう。同じく国民生活基礎調査によると、世帯数は以下の通りとなっています。
親への仕送りありの世帯数:113万8000世帯
仕送りをしていない世帯数:約5317万2000世帯
この調査によると、親への仕送りを行っている世帯は、仕送りをしていない世帯と比較して、圧倒的に少数派であることが分かります。
仕送りで自分の家計が苦しい場合
みなさんのなかにも、親から頼まれて仕送りを行っている方もいるかもしれません。もし親への仕送りによって自分自身の家計が苦しいと感じている場合は、以下のポイントを見直してみるとよいでしょう。
1. 本当に仕送りが必要なのか、親の毎月の収支を確認する
2. 仕送りする金額は適切かを親と確認する
3. 自分自身の家計も余裕がないことを伝える
まず親は毎月いくら収入があり、何にどのくらいお金を使っているのか、親の家計の収支を確認してみましょう。もしも親が趣味など自分の楽しみのために多くのお金を使っている場合、仕送りをする必要はないかもしれません。親が年金や貯金ではお金が足りず、経済的に本当に困っているのかどうかを見極め、適切な仕送り額を検討しましょう。
さらに、自身の家計の状況を伝えることも有効です。親は「子どもは現役世代だし、余裕があるはず」と思い込んでいる場合が多くあります。
しかし現役世代こそ、自分の子どもへの教育資金、ローンの支払い、自分自身の老後資金の貯蓄などにお金が必要になるため、決して経済的に余裕があるとはいえません。親に仕送りを求められても、家計に余裕がないことを伝えることが大切です。
親へ仕送りをするタイミング
親へのサポートはしたいけれど、毎月お金を渡す余裕がないという場合は、お金を渡すタイミングを工夫してみましょう。
例えば「入院や手術をする場合など、万が一の事態になったらサポートするよ」と伝え、毎月の仕送り額を減らしたり、やめたりするのはいかがでしょうか。
親の家の修繕が必要になったときや、車の保険代や車検代などを支払うタイミングなど、生活にかかる費用の一部を負担してあげるように交渉するのもおすすめです。
毎月必ず一定額を渡すと、親も仕送りが当たり前のように感じてしまい、子どもの家計のことまで意識できない可能性があります。毎月の仕送りが大変だと悩んでいる場合、親の生活をサポートするタイミングについて、一度検討してみましょう。
まとめ
今回は日本の仕送り事情について解説しました。毎月の仕送り額が多く自身の家計が圧迫されていると感じているのなら、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にご両親と話し合ってみてください。
出典
厚生労働省 令和4年国民生活基礎調査 世帯 06 仕送りの状況 第60表
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者