8月から「多床室での自己負担」が“月8000円”ほど増える!? 70代の親の退院後「施設受け入れ先」を探し中ですが、対象になるのでしょうか?「自己負担増」の背景も解説

配信日: 2025.08.31 更新日: 2025.10.21
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8月から「多床室での自己負担」が“月8000円”ほど増える!? 70代の親の退院後「施設受け入れ先」を探し中ですが、対象になるのでしょうか?「自己負担増」の背景も解説
2025年8月から、介護医療院・介護老人保健施設(老健)などでの多床室を利用している人の一部を対象に、居住費自己負担額が日額260円(月額約8000円)加算されることになりました。
 
居住費自己負担額が増える人・増えない人の基準はどのようなものなのでしょうか。本記事では、自己負担額が増えるかどうかの基準などを説明します。
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対象となる施設と具体的な負担額はいくら?

2025年8月からの居住費自己負担増額は、すべての介護施設に適用されるわけではありません。主に、介護老人保健施設(老健)や介護医療院の多床室が対象となります。
 
対象となる施設は、介護医療院の「II型」と、介護老人保健施設の「その他型」または「療養型」での多床室(療養室の床面積が1人あたり8平方メートル以上)です。
 
これらの施設に入所する・利用している人のうち、一定の年収以上の人に日額260円(月額約8000円)の負担が上乗せされます。
 

なぜ、多床室の自己負担額が増えるの?

今回の自己負担額の増加が決まった主な理由には、「在宅で生活している人や、ほかの施設利用者との費用負担の公平性を図るため」ということがあります。介護医療院や老健の多床室について「事実上の生活の場であり、ついのすみかとして選択されている」ケースの増加が指摘されています。
 
在宅で生活している人や、ほかの施設利用者との費用負担の公平性を図るために、介護医療院や老健の利用者のうち、一定以上の所得がある人には、2025年8月から居住費自己負担の増額を求めていくことになったのです。
 

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負担増額の対象者と判断基準は?

最も気になるのが「対象施設に入居している人全てが対象になるのか?」という点でしょう。全員が対象になるわけではなく、今回の制度変更で負担が増えるのは、「所得が高いと判断される人」に限られます。
 
主に以下のいずれかに該当する人は、自己負担増額対象から外れます。

●世帯員全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金受給者
●老齢福祉年金受給者のうち、年金収入金額との合計所得金額が120万円を超えていて、預貯金が一定額以下(単身で500万円以下、夫婦で1500万円以下)
●生活保護受給者

上記のいずれにも該当しない「市町村民税が課税されている世帯に属する人」が、負担増額の対象となる可能性があります。
 

家族の収入状況を把握しよう

自分の家族が自己負担増額の対象になるのか判断に迷う場合は、以下の点に該当するのかを参考にしてみてください。

●施設を利用する人の世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金受給者ですか?
●年金以外に所得はありますか?(例:不動産収入、株の配当金、給与所得など)
●親は生活保護を受給していますか?

これらの情報を確認することで、自身である程度の判断をすることができます。
 

子どもが親を扶養している場合は?

介護保険制度の負担額は「65歳以上の人の世帯人数」と「年金収入」などをもとに判断されます。例えば、会社員の子どもが親を扶養しているケースでは、子の収入が反映されて所得段階が上がり住民税課税世帯となることが多く、今回の負担増額の対象になる可能性があります。
 
ケアマネジャーや、老人福祉施設の相談員・自治体の高齢者福祉課は、こうした制度変更について最新の情報を把握しています。家族の経済状況を伝えれば、対象となるかどうかを教えてくれるでしょう。
 

まとめ

2025年8月から、介護医療院・介護老人保健施設(老健)などでの多床室(2~4人部屋)を利用している人の一部を対象に、居住費自己負担額が日額260円(月額約8000円)加算されることになりました。
 
原則として「対象になる施設を利用している、市町村民税が課税されている世帯」が負担増となります。
 
今回の制度変更を機に、親の介護費用だけでなく自身の老後資金貯蓄も含めた家計を見直してみるのも良いでしょう。計画的に行動することが、安心して親の介護を進めるための第一歩となるでしょう。
 

出典

厚生労働省 介護保険最新情報 令和7年8月からの室料相当額控除の適用について
島根県 多床室の室料負担の導入
東京都北区 介護サービスの利用者負担と負担割合証
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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