老後の一人暮らしは「月15万円」あれば足りる? “生活費”はどれくらい必要?
老後について気になるのは、生活費がどのくらいかかるのかという点です。収入が少なくなることが多いなか、生活費はどのくらい必要なのでしょうか。
本記事では、老後の一人暮らしで生活費はどのくらいかかるのか、月15万円あれば生活はできるのかという点について解説します。
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単身者の老後にかかる生活費
まずは、老後の単身世帯でどのくらいの生活費がかかるのかを見ていきます。
総務省統計局の「家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年」によると、生活費の内訳は以下のとおりとなっています。
食料:4万3472円
住居:1万5346円
光熱・水道:1万4431円
家具・家事用品:6599円
被服及び履物:3956円
保健医療:9251円
交通・通信:1万7128円
教育:11円
教育娯楽サービス:9174円
その他の消費支出:3万2103円
合計:15万9249円
食料:4万2973円
住居:1万3677円
光熱・水道:1万4528円
家具・家事用品:6735円
被服及び履物:3656円
保健医療:9102円
交通・通信:1万5984円
教育:12円
教育娯楽サービス:8837円
その他の消費支出:3万1624円
合計:15万4601円
以上の結果から、老後の一人暮らしでかかる費用は15万円を超えていることが分かります。そのなかでも特に食費が最も高く、4万円以上かかっています。食料品の物価高騰が続いているため、今後も食費における出費がさらに大きくなることが予想されます。
ゆとりのある生活を送るためにはいくら必要?
老後の収入が多いほど、ゆとりのある生活を送ることができるでしょう。多くの人が、そのゆとりのある生活を望んでいるのではないでしょうか?
本章では、ゆとりのある生活を送るために必要な費用はどのくらいなのかを見ていきます。
公益財団法人生命保険文化センターが公表する「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、生活費+約14万8000円でゆとりのある生活を送ることができるという調査が出ています。老後のゆとりのための使途として、旅行やレジャーが最も多く、次に日常生活費の充実、趣味や教養となっています。
上記で解説した生活費から考えると、月々約30万円の収入があれば余裕を持って生活ができると考えられるでしょう。
老後の資金を作るためには
老後に安定した生活を送るためには、若いうちからの資金作りが大切です。本章では、資金作りにはどのような方法があるのかを解説します。
投資信託
若いうちから投資信託を始めることで、老後のためのお金を残しておけるようになります。投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を専門家が株や債権などに投資することで、初心者でも始めやすい投資として注目されています。
ただし、元本割れのリスクがあるため慎重な検討も必要です。しかし、複数の商品を少しずつ買う分散投資をすることで、元本割れのリスクを減らすことができます。
また、投資の複利効果によって、長期間にわたり資産が増える可能性が高まります。若い頃から始めることによって、複利による利益は大きくなることも期待できます。
NISAを始める
NISAは少額投資非課税制度のことで、投資で得た利益にかかる税金(通常は20.315%)が非課税になる制度です。例えば、投資で100万円の利益を得た場合、通常は約20万円を税金として納めなければならないため、約80万円が手元に残ることになります。しかし、NISAは非課税になるので、100万円がそのまま受け取れるということです。
2024年から新NISAが導入され、投資期間や投資可能額などが広がったことで、初心者でも簡単に始められるようになりました。NISAも複利による利益が期待できるため、若いうちから始めて長期間運用すれば、資産を効率よく増やすことが期待でき、老後の資金にもなるでしょう。少額から始められるので、月々の支出を考えながら始められるのも魅力です。
老後の生活費は15万円以上必要
老後は一人暮らしでも15万円以上必要と考えられますが、物価が上がるなかで今後さらに生活費がかかってくる可能性もあります。
老後に安定した生活を送るためには、若いうちから少しずつ用意しておきましょう。投資信託やNISAを利用して、資金を確保しておくことがおすすめです。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年 表番号2
公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー