同年代の友人は定年後も働き続けるらしいです。年金「月15万円」と貯蓄「500万円」では心許ないでしょうか?

配信日: 2025.09.03 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
同年代の友人は定年後も働き続けるらしいです。年金「月15万円」と貯蓄「500万円」では心許ないでしょうか?
間もなく定年を迎える方にとって、公的年金だけの生活がどれほど心許ないのか、不安を感じている方も多いでしょう。今回の事例のように、年金月15万円と貯蓄500万円という数字は、それだけで十分なのか疑問に感じるのも当然です。
 
本記事では、同年代の貯蓄の水準と比較しながら、今後の収支や働き続ける選択肢までを分かりやすく解説します。安心して第二の人生を迎えるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

同年代の貯蓄の実態は? 平均と中央値で見る比較

まず、貯蓄の状況を確認してみましょう。
 
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年 二人以上世帯」によると、世帯主の年齢が50歳代の世帯における貯蓄の平均値は1168万円です。これは全世帯の平均値である1374万円よりもやや低い水準ですが、リタイア後の生活に備えた資金をある程度蓄えている世帯が多いことが分かります。
 
なお、60歳代の平均貯蓄額は2033万円となっており、中央値も650万円という結果であるため、このデータを参考にすると、今回の事例における貯蓄500万円はやや心許ない水準だといえるかもしれません。
 

年金月15万円とはどの水準? 平均受給額とのギャップを確認

次に年金額を見てみます。厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度末時点における国民年金、つまり老齢基礎年金の平均受給額は月額5万7700円です。
 
一方、老齢基礎年金を含む厚生年金の平均受給月額は、14万7360円となっています。このデータを踏まえると、年金月15万円という水準は厚生年金を受け取る人の中ではおおむね平均的なラインに位置していると考えられます。国民年金だけの場合はかなり不足感がありますが、厚生年金が含まれている場合には一般的な水準といえるでしょう。
 

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

貯蓄500万円でどれくらい暮らせる? 支出とのバランスを考える

支出の面も重要です。総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、65歳以上で無職の夫婦のみの世帯では、1ヶ月でおよそ3万4000円の赤字が発生しているとされています。
 
仮に年金収入が15万円で、家計収支が平均に近い水準だとすると、月ごとにおよそ3万円不足し、年間では約36万円の赤字になります。単純に計算すれば、500万円の貯蓄があれば14年近くは不足分を補うことができます。
 
しかし、現実には医療費や介護費用の増加、さらには物価上昇などによって支出が膨らむ可能性が高く、長期的に見れば余裕があるとは言い切れません。
 

働き続ける選択肢と備え方:無理せず安心を保つために

こうした状況を踏まえると、年金月15万円と貯蓄500万円という組み合わせは、生活を成り立たせることは可能であると考えられるものの、将来に備えるには心許ないというのが実情です。
 
そこで、多くの人が選んでいるのが、定年後も働き続けるという選択です。パートや派遣など、フルタイムに比べて柔軟な働き方を取り入れれば、年金とあわせて安定した収入を得ることができます。
 
また、収入だけでなく支出を見直し、生活コストを抑えることも重要です。さらに、定年退職前から副収入や資産運用の準備を進めておけば、将来的な安心につながります。年金の繰下げ受給を検討するのもひとつの方法です。
 
いずれも無理なく続けられる方法を組み合わせることで、経済的な不安をやわらげることができるでしょう。
 

まとめ

統計的に見れば、貯蓄500万円は高齢世帯の中央値よりも少なめであり、年金15万円は厚生年金受給者の平均的な水準にあるものの、将来を考えると余裕があるとはいえません。毎月の生活費が年金額を上回る可能性が高く、赤字分を補うには貯蓄を取り崩す必要があります。
 
そのため、働き続けて収入を補い、支出を見直すことが現実的な解決策となります。定年後の生活を安心して送るためには、現状を客観的に把握し、自分に合った働き方や資金計画を早めに整えていくことが大切です。
 

出典

金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年 二人以上世帯 各種分類別データ
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II. 厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III. 国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問