「定年後も働く人」が「増えている」と聞きました。具体的にどのような「仕事」に就いているのでしょうか?
そこで本記事では「定年後も働いている人はどんな仕事をしているのか」「なぜ働き続ける人が増えているのか」を紹介していきます。
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定年後の就業者は増えている? 高齢者の就業率と現状
高齢者の就業は、ここ10年で大きく伸びています。総務省の調査によると、65歳以上の就業者数は2023年時点で914万人と、過去最多となっています。就業率では65~69歳で53.5%、70~74歳で34.5%と過去最高水準です。これは欧米諸国と比べても高い水準であり、日本の労働市場が高齢者の力を強く必要としている状況が分かります。
こうした背景には、年金だけでは生活が不安という経済的理由に加え、労働力不足によって企業が積極的に高齢者を受け入れている事情があります。働く本人の意欲と社会的な需要が一致していることが、定年後就業を後押ししているといえるでしょう。
定年後に多い働き先は? 医療・福祉、小売などの業種別傾向
定年後に多い働き先としては、小売業や医療・福祉などが挙げられます。小売業ではスーパーやコンビニの接客、品出し、レジ業務といった比較的短時間で体を動かす仕事が中心です。医療・福祉では介護施設での補助や送迎、病院での患者サポートなど、経験や体力に応じた役割があります。
内閣府によると、医療・福祉業界の高齢就業者は2013年から2023年にかけて約2.4倍に増加しました。人手不足の深刻化と高齢者自身の「人の役に立ちたい」という思いが合わさり、今後も増加が見込まれます。
定年後も働く主な動機と今後の展望
定年後も働く理由としては「生活費の補塡(ほてん)」が挙げられますが、それだけではありません。とある調査によると「社会とつながりたい」「心身を健康に保ちたい」といった心理的な動機も大きな割合を占めているようです。実際に、週に数日だけ働くことで生活のリズムが整い、孤立感の防止につながることもあるようです。
さらに、近年は70歳までの雇用確保措置を導入する企業が増えており、今後は80歳前後まで働き続ける人も珍しくなくなるかもしれません。AIや自動化が進む一方で、人と人が向き合う仕事は今後も需要が続くでしょう。介護や地域サービスの分野では、高齢者の持つ経験や知恵を生かせる場が、今後さらに広がっていくと考えられます。
まとめ
高齢者の就業は、ここ10年で大きく伸びていて、総務省の調査によると、65歳以上の就業者数は2023年時点で914万人と、過去最多となっています。
定年後に多い働き先としては、小売や医療・福祉などがあるようです。働く目的も収入だけでなく、生きがいや健康維持という面が大きな役割を果たしています。
制度と社会環境が整いつつある中で、今後は「どんな仕事を通じて自分らしい人生を描くか」が重要になると考えられます。自分のライフプランに合わせて、長く安心して働ける選択をしていくとよいでしょう。
出典
総務省 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-
内閣府 令和6年版 高齢社会白書(全文) 第2節 高齢期の暮らしの動向
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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