“貯金500万円”程度ある50代独身です。ロトで「2億円」を当てたら、老後まで働かずに暮らせますか?
本記事では、50代独身という条件を前提に、生活費や資産運用、老後のリスクなどを踏まえたシミュレーションを行い、現実的な可能性を解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
ロトで2億円手に入れたら、まず考えるべきこと
まず理解しておきたいのは、ロトで当たった2億円が税金等で減ることなく全額受け取れるという点です。ただし、その後の管理方法によって、資産寿命は大きく左右されます。大切なのは一括で消費しないことと資産の分散です。
2億円を預金口座に全額置いたままでは、ほとんど利息がつかず、インフレで実質的な価値が目減りします。一方で、株式や投資信託などリスクの高い商品にすべてを投じれば、景気の変動で資産が大きく減る危険もあります。老後まで働かずに暮らすには、使う金額をコントロールしながら、堅実な資産運用を組み合わせることが欠かせません。
また、50代という年齢では、公的年金の受給まで10年以上あるケースが多いでしょう。この期間をどう乗り切るか、さらに年金が加わった後の暮らしをどう設計するかが重要です。
50代独身の生活費・必要支出の実態を把握する
老後まで働かずに暮らせるかを判断するには、まず「毎月いくら必要なのか」を知る必要があります。独身であれば家族の養育費はかかりませんが、住居費・光熱費・食費・医療費・保険料・交際費などはすべて自分一人で賄うことになります。
総務省「家計調査年報(家計収支編)2024年」によると、単身世帯の消費支出は平均月15~16万円です。ただし住居費や交際費、趣味・旅行などを充実させる場合は月20~30万円程度の出費になることも珍しくありません。
医療費や介護費も考慮が必要です。50代から70代以降にかけては、病気やけがのリスクが高まります。さらに要介護状態になった場合、施設利用や在宅介護の費用が大きな負担になることもあります。こうした予測不能な支出に備え、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
2億円の運用とシミュレーション
それでは、実際にシミュレーションをしてみましょう。ここでは「2億円の当選金+500万円の貯金」を資産として考えます。
仮に生活費を月25万円(年間300万円)とすると、2億円を単純に取り崩しても約66年間は持ちます。50代から66年となると100歳を超えても資産は残る計算です。もちろん実際にはインフレで生活費が上がったり、想定外の出費があったりしますが、それを考慮してもかなり余裕があるといえます。
一方で、月40万円(年間480万円)を使った場合でも、単純計算で約41年間は持ちます。50代から41年であれば、90歳前後までカバーできる計算です。つまり、2億円を持っていれば、使い方次第で老後まで十分に暮らしていける可能性が高いのです。
さらに運用を組み合わせれば安心感は増します。2億円の半分を安定的な債券や預金に置き、残りを年率3%程度の運用に回すと、年間で300万円程度の運用益が得られます。この額は生活費の大部分を賄えるため、元本を減らさずに暮らせる可能性もあるでしょう。
ただし注意点もあります。インフレで物価が上がれば必要支出は増えますし、運用環境が悪化すれば思ったように利益が得られないこともあります。また、想定以上に長生きした場合や介護費用が高額になった場合は、資産が目減りする可能性があります。そのため、生活水準を高く設定しすぎないこと、定期的に家計を見直すことが欠かせません。
まとめ
2億円という資産があれば、50代独身が老後まで働かずに暮らすことは十分に可能です。生活費を抑えたシナリオなら資産を大きく減らすことなく維持でき、ゆとりのある暮らしを望んだとしても、資産寿命は90歳前後までカバーできるでしょう。
ただし、その実現にはいくつかの条件があります。第一に、生活水準をどの程度に抑えるかを自分で決めること。第二に、資産を安全に管理し、運用と預金をバランスよく組み合わせること。そして第三に、医療や介護など予測不能な出費に備える余裕を確保することです。
2億円を得たからといって浪費してしまえば、あっという間に資産は減ります。しかし計画的に使い、堅実に運用すれば、一生働かずに安心して暮らすことも夢ではありません。老後を心配せずに過ごすためには、「手に入れたお金をどう守り、どう生かすか」をしっかり考えることが大切です。
出典
総務省 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー