夫婦で「年収1200万円」の夫婦。高収入なので、将来は“年金だけ”で暮らせますか?「持ち家・賃貸」の支出もあわせシミュレーション

配信日: 2025.09.20 更新日: 2025.10.21
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夫婦で「年収1200万円」の夫婦。高収入なので、将来は“年金だけ”で暮らせますか?「持ち家・賃貸」の支出もあわせシミュレーション
世帯年収1200万円で夫年収700万円・妻500万円だと、周囲から見れば「お金の心配なんてないだろう」と思われるかもしれません。しかし、「この生活水準、老後も維持できるのかな?」と将来の生活に対して漠然とした不安を抱える人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、将来の年金額の試算と、持ち家・賃貸で暮らしてゆけるのかも検証します。
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老後の生活費用は年金だけで足りる?

老後のお金について考える上で、まず知っておくべきは「将来受け取れる老齢年金はいくらなのか」です。支払ってきた年金保険料は、将来の自分たちを支える大切な資産となります。
 
今回は、夫(年収700万円)・妻(年収500万円)の会社員夫婦をモデルに、将来の年金受給額を計算してみましょう(小数点以下は切り上げ)。
 

(1)夫が40年間、年収700万円で厚生年金に加入したケースでの年金見込み額

700万円÷12×0.005481×480月=厚生年金(報酬比例部分)153万4680円
厚生年金153万4680円+基礎年金83万1700円(2025年度)=236万6380円
 

(2)妻が40年間、年収500万円で厚生年金に加入したケースでの年金見込み額

500万円÷12×0.005481×480月=厚生年金(報酬比例部分)109万6200円
厚生年金109万6200円+基礎年金83万1700円=192万7900円
 
夫婦合算した年金見込み年額は約430万円(月あたり約36万円)となりました。この年金額はあくまで概算であり、将来の年金制度改正によって変動する可能性があります。
 

住宅は「資産」か「負債」か?

老後の生活費で、大きな割合を占める1つが「住居費」です。持ち家か賃貸かによって、老後の家計は大きく変わってきます。
 

<持ち家の場合>

住宅ローンを完済していれば毎月の支払いはほぼなくなるため、大きなメリットです。しかし、固定資産税や火災保険料、そして定期的な修繕費がかかることを忘れてはいけません。
 
特に、築年数がたつにつれて大規模なリフォームが必要になることもあり、そのための資金を計画的に準備しておく必要があります。
 
持ち家で、年10万円程度の固定資産税、年3万円程度の火災保険料、そして諸費用がかかるとすると、年間で十数万円程度が必要です。
 

<賃貸の場合>

老後も家賃の支払いが続きます。例えば、賃貸で家賃が月13万円(年156万円)、2年ごとに更新費用で家賃1ヶ月分かかる場合だと、老後の収入が減る中で家賃を支払い続けるのは大きな負担になる可能性があります。
 
どちらの選択肢にもメリット・デメリットがありますが、重要なのは、老後の住居費を具体的に把握しておくことです。それによって、年金収入と支出のバランスが明確になり、どれくらい貯蓄が必要か見えてきます。
 

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年金だけで平均寿命まで生活できそう?

厚生労働省「簡易生命表(令和6年)」によると、平均寿命は男性81歳・女性87歳です。65歳から平均寿命まで、年金だけで生活できるのでしょうか。
 
厚生労働省「国民生活基礎調査の概況(令和6年)」によると、令和5年の高齢者世帯の平均所得金額は314万8000円でした。本記事のモデルケース夫婦だと、夫婦合算した年金見込み年額は約430万円(月あたり約36万円)なので、年金だけで生活が維持できそうです。
 
しかし、終の棲家(ついのすみか)として介護施設などに入居するときには、まとまった出費がかかるので貯蓄も必要になるでしょう。
 
総務省統計局の2024年の「家計調査報告」によると、二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の世帯で貯蓄2500万円以上の世帯は、全体の35.2%です。一方、300万円未満の世帯は、全体の14.8%を占めています。
 
貯蓄保有世帯の中央値は1658万円なので、夫婦世帯で必要な貯蓄額は1600万円から2500万円を目標にすることが望ましいでしょう。
 
老後資金を貯めるための、大きな柱となるのが退職金です。退職金を「ただ預金する」のではなく、どのように運用するか、夫婦で話し合っておくことが大切です。
 

まとめ

厚生労働省の資料によると、令和5年の高齢者世帯の平均所得金額は314万8000円でした。本記事のモデルケース夫婦だと、夫婦合算した年金見込み年額は約430万円(月あたり約36万円)なので、年金だけで生活が維持できそうです。
 
豊かな収入がある現役時代には、将来の不安にふたをしてしまいがちです。しかし、老後生活が20年以上、人によっては30年以上続く可能性を考えると、今から夫婦で老後のお金について話し合うことが、将来の安心を得るための第一歩となるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年簡易生命表 主な年齢の平均余命
厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況 各種世帯の所得等の状況
総務省統計局 家計調査報告[貯蓄・負債編]2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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