両親が「600万円しか貯金がない」と言っていました。50代でこの貯金額だと、老後の生活は大変ではないですか?

配信日: 2025.09.24 更新日: 2025.10.21
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両親が「600万円しか貯金がない」と言っていました。50代でこの貯金額だと、老後の生活は大変ではないですか?
両親が50代で貯金は600万円と聞いたら、老後の生活は大丈夫なのかと不安になる方もいるでしょう。老後は年金が受給できますが、それだけで生活できるかは分かりません。
 
本記事では、50代の平均貯蓄額や老後にかかるお金について解説します。両親が現在の貯金額で老後も暮らしていけるか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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50代の平均貯蓄額

金融広報中央委員会 知るぽるとの「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50代の平均貯蓄額は1147万円でした。貯蓄金額別の割合を見てみると、表1の通りです。
 
表1

貯蓄金額 割合
金融資産なし 27.4%
100万円未満 9.1%
100~200万円未満 6.4%
200~300万円未満 3.8%
300~400万円未満 3.9%
400~500万円未満 3.8%
500~700万円未満 5.6%
700~1000万円未満 5.5%
1000~1500万円未満 8.9%
1500~2000万円未満 4.2%
2000~3000万円未満 5.4%
3000万円以上 11.2%

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成
 
平均値だけを見れば、600万円は少なく感じられるかもしれません。ただし、平均値は貯蓄額が高額な層によって数値が押し上げられる特徴があります。今回の調査でも3000万円以上が11.2%と比較的多く、平均を引き上げているといえるでしょう。
 
その一方で、分布の真ん中に位置する中央値は300万円にとどまっています。つまり、600万円の貯蓄がある家庭は中央値を上回っており、決して下位層に分類されるわけではありません。平均よりは少なめでも、実態としては「中間より上」に位置しているといえるでしょう。
 

老後にかかるお金はどのくらい?

老後の生活を貯金600万円で送れるのか気になる方もいるでしょう。老後にいくらかかるのか、そのために今からどのくらい貯めておけばよいのか見ていきましょう。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯に必要な生活費は月28万2497円とされています。
 
一方で日本年金機構によると、令和5年度における老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金額は、夫婦合計で月22万4482円です。この金額は、平均的な給与水準(標準報酬月額43万9000円)で40年間働いた場合に受け取れる老齢厚生年金と、2人分の老齢基礎年金(満額)を合算した数値です。
 
つまり、年金だけでは毎月5万8015円ほど不足します。これを貯金600万円から取り崩して補うと、およそ9年で資金が尽きてしまう計算になります。
 
長寿化を踏まえると問題はさらに深刻です。厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によると、平均寿命は男性約81歳、女性約87歳とされています。夫婦で87歳まで生活すると仮定した場合、65歳以降に必要な赤字補てん額は1531万5960円に上ります。現在貯金している600万円を差し引くと、追加で931万5960円を確保しておく必要があるでしょう。
 
もちろん、実際には生活水準や年金額によって差が出るため、あくまで目安として参考程度にしておきましょう。
 

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50代で貯金600万円だと老後の生活費を賄えない可能性がある

50代で貯金600万円という金額は、平均額と比べれば少なめに見えるものの中央値を上回っており、決して低いわけではないといえます。ただし、老後の生活費を考えると、年金だけでは不足が生じやすく、夫婦で87歳まで生きるのを想定すれば600万円では足りない可能性があります。
 
今後の人生を安心して過ごすためには、追加の資金づくりや支出の見直しが欠かせません。早い段階から準備を進めることが、老後の不安を和らげる大切な一歩になるでしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況 結果の概要 1 主な年齢の平均余命
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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