来年勤続30年で定年する夫の退職金は「2500万円」だそうです。”税金”はいくらくらいでしょうか?

配信日: 2025.09.24 更新日: 2025.10.21
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来年勤続30年で定年する夫の退職金は「2500万円」だそうです。”税金”はいくらくらいでしょうか?
給料から所得税や住民税が引かれるように、退職金からも所得税や住民税が引かれます。ただし、計算方法は給料とは異なるため注意が必要です。
 
今回は、退職金にかかる税金とその計算方法、また課税されないケース、受け取る前の注意点などについてご紹介します。
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高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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退職金にかかる税金と求め方

退職金は一時金として受け取った場合「退職所得」となり、所得税と住民税が課されます。給料を受け取ったときの給与所得などの所得とは分けて計算をするため、退職金の金額のみをベースに税額が決まる点が特徴です。
 
退職所得は次の手順で計算します。

(1)退職所得控除額を求める
 
(2)退職金額から退職所得控除額を差し引く
 
(3)(2)の金額を2分の1にする

退職所得控除額は、同じ金額の退職金を受け取る場合でも、勤続年数が長いほど大きくなり、勤続年数20年を境に計算式が変わる点がポイントです。自分で計算をする場合は間違えないようにしましょう。
 
また、国税庁によると、勤続年数を計算する際、1年未満の年は勤務が1日だけであったとしても1年勤務したとします。例えば、勤続年数が22年と1日なら、23年として扱いましょう。
 
退職所得を求めたら、所得に応じた所得税率と住民税率をかけてそれぞれの税額を求めます。なお、住民税率は地域にかかわらず原則10%で一定ですが、自治体によって内訳が異なる場合があります。気になる場合は、自分の属する自治体のものを調べておきましょう。
 

退職金の税額の計算例

今回は、次の条件で退職金から所得税と住民税がいくらくらい引かれるかを計算してみましょう。

・退職金額が2500万円
 
・勤続年数が30年
 
・東京都新宿区在住
 
・退職金を一括受け取り

まず、今回の条件だと退職所得控除は1500万円です。そのため、退職所得金額は500万円になります。
 
国税庁によれば、課税退職所得金額が500万円のとき、所得税率は20%、控除額が42万7500円、また復興特別所得税額(基準所得税額×2.1%)を加えるため、所得税と復興特別所得税を合わせて58万4522円です(1円未満切り捨て)。
 
東京都新宿区の場合、住民税率は特別区民税が6%、都民税が4%で設定されています。それぞれの税率を基にすると、特別区民税は30万円、都民税は20万円です。そのため、住民税は合計50万円を支払うことになります。
 
なお、住民税の計算において端数が発生した場合は、100円未満を切り捨てて計算します。
 

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退職金が非課税になるケースとは

まず、退職所得控除の範囲内なら、課税されません。控除の範囲を超えると課税対象となります。
 
なお、退職金は基本的に会社が源泉徴収をしてから支払われます。退職金が支払われるまでに「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出していれば、退職所得の金額を基準とした税率で計算されて税金が差し引かれ、退職金が入金されるでしょう。医療費控除などほかの控除を使う予定でなければ、基本的に確定申告は必要ありません。
 
しかし、申告書を提出し忘れると退職所得控除が考慮されず、一律20.42%として計算されるため、支払いすぎた所得税分を精算するために自分で確定申告が必要です。
 

退職金が2500万円で勤続年数が30年なら108万円程度の税金が引かれる可能性がある

退職金はほかの所得とは分けて税額の計算が行われ、所得税と住民税が引かれます。勤続年数が多いほど、退職所得控除は高くなります。
 
今回の条件だと、所得税が58万4522円、住民税が50万円でした。
 
なお、事前に申告書を会社へ提出していれば、退職所得に合った税率で源泉徴収をしてもらえるため、基本的に自分で確定申告を行う必要はありません。確定申告をしない場合は、必ず会社に申告書を提出しておきましょう。
 
医療費控除などを利用したい場合は、確定申告が必要です。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 退職金と税
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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