高齢の母が介護施設に入居し「毎月20万円」かかっています。この費用は全国平均と比べて妥当なのでしょうか?

配信日: 2025.09.29 更新日: 2025.10.21
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高齢の母が介護施設に入居し「毎月20万円」かかっています。この費用は全国平均と比べて妥当なのでしょうか?
高齢の母を介護施設に入れると、毎月20万円もの費用がかかっていて、これが妥当な金額なのか不安です。介護施設は種類や立地、介護度などで費用が大きく変わるため、一概には高すぎともいえません。
 
本記事ではまず施設費用の仕組みを整理し、全国平均との比較から、なぜ20万円になることがあるのかを解説します。
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介護施設の費用構造と種類別の違い

介護施設を選ぶ際には、「施設の種類」と「費用構成」がポイントになります。大きく分けると次のような種類があります。
 
・特別養護老人ホーム(特養)
公的な介護施設。居住費・食費・介護サービス費などから構成され、住宅・食費部分の軽減制度もある場合があります。
 
・介護付き有料老人ホーム
民間事業者が運営し、居室の設備やサービスが手厚いことが多いです。
 
・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅(サ高住)
比較的自由度が高く、住居と介護サービスを組み合わせたタイプです。
 
・老健施設・介護医療院など
リハビリ重視・医療的ケア重視型施設もあります。
 
費用構成としては、主に次の要素があります。
 

・介護サービス利用料(介護保険適用分)
・居住費(部屋利用料・家賃相当分)
・食費・管理費
・日常生活支援サービス・共益費
・オプション・付帯サービス(理美容、健康管理、医療対応、家電使用料など)

 
入居一時金や前払金方式を採用する施設もあり、月額を抑えるかわりに先にまとまった支出が発生するケースもあります。このように、どの部分をどれだけ重視するかによって、同じ「介護施設」でも費用に大きな差が出ます。
 

月20万円という金額は全国平均と比べてどうか?

公益財団法人生命保険文化センターの調査をもとに平均を見ていきましょう。
 
まず、有料老人ホームに入居した場合の「月額利用料(入居一時金を除いた月々の費用)」は、全国平均で約23万8000円となっています。内訳を見ると、介護サービス費、居住費、食費、管理費などが含まれており、地域や施設のサービス内容によってばらつきはありますが、20万円前後がひとつの目安といえるでしょう。
 
また、特別養護老人ホーム(特養)のような公的施設は比較的低価格で、月8〜12万円程度に収まるケースが多いとされています。一方で、介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、サービスや立地条件によって費用が上振れしやすく、特に都市部や個室中心の施設では月25万円以上になることも珍しくありません。
 
こうした調査結果を踏まえると、お母さまの施設費用「月20万円」は、特養などの公的施設と比べれば高めですが、有料老人ホーム全体の全国平均(約23万8000円)と比べるとやや低め〜平均的な水準に位置しているといえます。つまり、「特別高額」というよりは、民間の有料老人ホームに入居している家庭では十分にあり得る金額だと理解できます。
 

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高額施設になりやすい要因と費用を抑えるためのチェックポイント

ここからは、「なぜ20万円になるのか」を整理するとともに、少しでも負担を軽くするための見直しポイントを示します。
 
まず、高額になりやすい要因としては次のようなものがあります。
 

・立地(都市中心部や人気エリアに所在すると土地代・建物コストが反映されやすい)
・設備の豪華さ(広い個室、眺望・庭園・ラウンジなど共用設備)
・医療対応・看護体制の強さ(看護師常駐、緊急対応、医療機関との連携)
・高い介護度・重度のケアが必要な状況
・食事品質やメニューの豪華さ
・付帯サービス(理美容、リハビリ、生活支援、各種イベントなど)
・施設の運営形態(前払金方式/月額方式/支払い方式など)

 
次に、費用を抑えたり妥当水準に近づけたりするためのチェックポイントです。
 
1. 部屋タイプを見直す
個室を選んでいるなら、多床室にするなど部屋グレードを下げる選択肢を検討。
 
2. 付帯サービスを精査する
不要なオプションサービス(高額な理美容・趣味活動など)が含まれていないか、契約内容を見直す。
 
3. 介護度・ケア強度適正化
実際に必要な介護レベルを見直し、過剰なサービスを受けていないかを確認。
 
4. 同地域での類似施設と比較する
近隣地域の同程度施設の見学・見積もりを取って“相場感”を把握。
 
5. 自治体・制度の補助・減額制度を活用する
低所得者向けの減免制度や居住費軽減制度を利用できる場合がある。
 
6. 入居一時金方式の検討
前払金を支払って月額を抑えるプランもあるため、総支払額を比較検討する。
 
7. 交渉・再契約のタイミングを活用する
空室キャンペーンや見直し交渉を行える施設もあるため、定期的に条件を確認。
 
これらのチェックを通じて、「本当に20万円払う価値がある施設なのか」を見極め、必要なら見直しの選択肢を探すことができます。
 

まとめ

母親の介護施設費用が月20万円というのは、全国的な平均と比較すると「高め〜上位の水準」に位置する可能性が高いです。しかし、それが即異常とはいえず、選んでいる施設の種類・立地・設備・介護度・サービスの質がそれを正当化することもあります。
 
重要なのは、まず「施設のタイプ」「部屋仕様」「介護度」「付帯サービス内容」などを明らかにし、近隣・類似施設と比較すること。そして、可能であれば部屋グレードを下げたり、不要サービスを外したり自治体の減免制度を使ったりして、支出を少しでも軽くすることを検討することです。
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?
 
※2025/9/29 内容を修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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