退職金「2000万円」を老後30年で使い切る! 高齢者が“1年で使える金額”はいくら? 手取り額についても解説

配信日: 2025.10.04 更新日: 2025.10.21
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退職金「2000万円」を老後30年で使い切る! 高齢者が“1年で使える金額”はいくら? 手取り額についても解説
退職金として2000万円を受け取った場合、老後30年間でどのように資金を使えば安心して生活できるのでしょうか。実際に「1年間で使える金額」に換算してみると、想像以上に限られた額になることが分かります。また、退職金からは税金が差し引かれるため、額面通りの金額を自由に使えるわけではありません。
 
この記事では、退職金2000万円を30年で使い切る場合のシミュレーションと、手取り額の注意点、さらに不足を補う方法について解説します。
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退職金2000万円を老後30年でどう使うか

退職金2000万円というまとまった資金を手にすると、老後の生活は十分に安心できると感じる方も少なくないでしょう。ところが、実際に30年間で分割して使う計画を立てると、思ったよりも少ない金額しか使えないことが分かります。
 
老後は長寿化が進み、30年以上生活が続くことも想定されます。2000万円を30年で均等に割ると、どの程度の生活費に相当するのかを知っておくことは、老後設計の第一歩といえるでしょう。
 

1年間で使える金額を計算

2000万円を30年で割ると、年間で約66万6000円になります。月額に直すとおよそ5万5000円です。一見すると大きな金額のようですが、実際の老後の生活費と比べてみると不足感は明らかです。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの高齢者無職世帯における平均消費支出は月に約25万7000円とされています。
 
つまり、退職金2000万円だけを頼りに暮らすと、月に20万円前後の不足が生じる計算です。この差を埋めるためには、公的年金や他の貯蓄、資産運用などを組み合わせる必要があります。
 

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退職金の手取り額に注意

退職金2000万円がそのまま手元に残るとは限りません。退職金を一時金として受け取る場合は退職所得控除が適用されるものの、勤続年数によっては課税される可能性があります。
 
例えば、勤続年数が20年を超えている場合の計算式は、退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」です。控除額を差し引いた残りを2分の1にした退職所得に課税されますが、金額次第では税金が発生します。
 
さらに、退職金の受け取り方法によっても手取りは変わります。上記は一時金として一括で受け取る場合の計算方法ですが、年金形式で分割して受け取る場合は課税の仕組みが異なるため、事前に確認しておいた方がよいでしょう。
 

生活費の不足分をどう補うか

退職金だけでは老後資金として不足する可能性があるため、他の収入源を組み合わせる必要があります。主な補てん方法は次の通りです。
 

・公的年金の活用
・退職金からの取り崩し
・預貯金や投資信託などの資産運用

 
特に医療費や介護費用は年齢を重ねるほど増える傾向があるため、計画的に資金を取り崩すことが大切です。
 

退職金を計画的に使うための工夫

2000万円という金額を30年間もたせるには、単に均等に分けて使うだけでは不十分です。将来のライフイベントや支出増加を見越した計画が欠かせません。
 

・定期的に家計を見直し、収支のバランスをチェックする
・予想される医療費や介護費用を事前に計算に組み込む
・運用に回す場合は、元本割れのリスクが低い商品を中心に選ぶ
・子どもや孫への援助を考える場合は、生活費を圧迫しない範囲にとどめる

 
こうした取り組みを行うことで、退職金を長期間にわたり有効に活用できる可能性が高まるでしょう。
 

退職金2000万円は十分か、それとも不足か

退職金2000万円を30年で使い切る場合、1年間に使えるのは単純計算で約66万円、月にすると5万円程度にとどまります。夫婦2人の老後の生活費には到底足りず、年金やその他の資産を組み合わせることで、現実的な生活設計が成り立ちます。
 
また、退職金は税金の影響で手取りが減る可能性もあるため、実際に使える金額は額面より少なくなる点に注意が必要です。
 
老後30年を安心して過ごすためには、退職金を基盤としつつも、年金・貯蓄・運用を含めた総合的な資金計画を立てることをおすすめします。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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