67歳で一人暮らしをしていますが、娘夫婦から同居を提案されました。同居した場合、光熱費や食費などどう分担すればいいでしょうか。
特に、同居後の生活費の分担。光熱費や食費、日用品の費用などをどうすればいいかは、事前にきちんと話し合っておかないと、後々のトラブルのもとになります。本記事では同居する際に注意すべき点や光熱費や食費の分担について解説していきます。
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目次
同居を始める前に大切なのは「生活スタイルの確認」
まず考えたいのは、お互いの生活リズムや価値観です。親世代と子世代では、食事の時間帯や家の使い方、掃除・洗濯の頻度など、意外と違いがあるものです。「同居=いつも一緒に過ごす」ではなく、互いにプライベートを尊重できる距離感をどう保つかを話し合いましょう。
特に大事なのは、「どの程度生活を共有するか」です。完全同居(同じキッチン・お風呂を使う)か、二世帯住宅のように一部を分けるのかによって、費用の分担の考え方も大きく変わります。
光熱費は「人数割」よりも「使用実態」で考える
電気・ガス・水道などの光熱費は、同居後にトラブルになりやすい項目です。単純に「3人だから3等分」とすると、不公平感が出ることもあります。
例えば、昼間に家にいるのが親だけで、冷暖房やテレビを使う時間が長い場合、実際には親の使用量が多いかもしれません。逆に、子世帯が夜遅くまで家電を使う場合もあります。
おすすめは、最初の数か月はざっくり「親が2割、子世帯が8割」など仮の割合で始め、実際の請求額を見ながら柔軟に見直すことです。
また、電気やガスの契約を一度見直すのも良い機会です。ファミリープランやセット割などを利用すれば、同居によって節約になる場合もあります。住環境研究所の「同居・二世帯の住まいづくりと家計」調査によると、電気代分担額はメーターや料金明細に基づいて決める方が親子間の満足度が高いという結果が出ています。
食費は「共通部分」と「個人部分」を分けて考える
食費も分担が難しい項目です。毎食を一緒に食べる場合は、食材費をまとめて計算し、人数で割る方法が一般的です。ただし、朝食や昼食を別々に取ることが多いなら、「共通で食べる夕食分だけ割り勘」といった形が自然です。
また、嗜好品やお酒、お菓子などは個人負担にすると、余計な誤解を防げます。食費をきっちり管理するのが負担な場合は、共通の「家計費口座」を作り、そこに毎月一定額を入れておくのもおすすめです。
例えば「月3万円ずつ出し合う」と決めておけば、使い方の自由度が上がります。同調査によると、食費は世帯別に各々負担している家庭が約4割という結果でした。
日用品や雑費は「定額負担制」にしておくとスムーズ
トイレットペーパーや洗剤などの消耗品は、使用者を明確に分けにくいため、毎月一定額を共通費として出し合うのが安心です。月5000円~1万円を目安にして、誰かがまとめて購入する係を決めておくと管理が楽になります。
また、固定資産税や住宅ローンの有無も話し合っておきましょう。娘夫婦の持ち家に同居する場合、親が少し家計を助ける形で「家賃代わり」に光熱費の一部を多めに負担する方法もあります。
「お金の話」を早めにすることが同居成功の鍵
日本では、家族の間でお金の話をするのを遠慮する傾向があります。しかし、同居生活を長く続けていくためには、曖昧にせず、最初にルールを決めておくことがとても大切です。
その際、「支出をどう分けるか」だけでなく、「誰がどの支払いを担当するか」も明確にしておくと、後々の混乱を防げます。
例えば、光熱費は娘夫婦が支払い、親が月に一定額を渡す、食費は共通口座から支出、日用品は交代で購入といったように、実務的な仕組みを決めておくとよいでしょう。
同居は「お金」よりも「思いやりのバランス」
同居は単なる経済的な選択ではなく、家族の絆を再構築する機会でもあります。お金の分担を公平にすることも大切ですが、それ以上に、互いの生活を尊重し合い、感謝の気持ちを忘れないことが長続きの秘訣です。
67歳での同居は、決して「世話になる」ことではありません。これまでの経験や知恵を家族と分かち合う、心強いパートナーシップの始まりと考えましょう。その第一歩として、「生活費をどうするか」をオープンに話し合うことが、何よりの安心につながります。
出典
住環境研究所「同居・二世帯の住まいづくりと家計」調査について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー