もうすぐ夫が定年を迎えるわが家、貯金は“700万円”程度…。60歳代の二人以上世帯は「3割弱」が“2000万円以上”の金融資産を持っているって本当?
今回は、老後資金をめぐる実態データを見ていきましょう。
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目次
「60歳代」の預貯金残高は“平均358万円”
金融経済教育推進機構が発表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、60歳代の現在保有している預貯金残高合計は平均358万円でした。
また、口座の保有状況を見ると、以下の結果が出ています。
・口座を保有しているが、現在、残高はない:29.2パーセント
・口座を保有していない:2.4パーセント
したがって、60歳代の約3割の世帯は預貯金の残高がない、もしくは非常に少ない可能性があります。
「60歳代」の金融資産保有額は「28%」が“2000万円以上”
前記の調査「金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」を見ると、2000万円以上を保有している世帯の割合は、合計で28.0パーセントに上ることが分かります。
・2000~3000万円未満:8.0パーセント
・3000万円以上:20.0パーセント
これは60歳代の約3割の世帯が、2000万円以上の貯蓄があることを示しています。
また、保有している金融資産のうち「預貯金」は、最多の「811万円」(金融資産保有額の約4割)を占めていました。
日本銀行が発表した「資金循環の日米欧比較 2025年第1四半期 家計の金融資産構成」によると、金融資産のうち「現金・預金」の占める割合は日本は51パーセントに対し、米国は11.5パーセントという結果が出ています。日本人は諸外国と比較して「現金・預金」を好む国民性であることが推測できます。
「60歳代」の「75.8%」が老後の生活について「心配である」と回答
前記の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、老後の生活について、60歳代の75.8パーセントが「心配」と回答しています。
・非常に心配である:35.0パーセント
・多少心配である:40.8パーセント
また老後の生活を心配する主な理由には以下が挙げられていました。
・十分な金融資産がないから:63.2パーセント
・年金や保険が十分でないから:52.6パーセント
・生活の見通しが立たないほど物価が上昇することがあり得ると考えられるから:42.1パーセント
まとめ
老後に必要となる資金は、退職後のライフスタイルや公的年金受給額などによって大きく異なる可能性があります。記事の冒頭で触れたような「貯蓄700万円」で不安を感じている場合は、漠然とした不安を解消するために、まずはご夫婦の年金受給見込額を確認することをおすすめします。
現時点で想定される生活費を年金収入で賄えるかを検証し、不足する場合には700万円をどのように取り崩すのか、具体的な生活計画を話し合うことが大切です。老後に向けた生活設計や資金計画は、早めの準備と計画の見直しがますます重要になっているといえるでしょう。不安が続く場合は、専門家への相談もご検討ください。
出典
金融経済教育推進機構 家計の金融行動に関する世論調査 2024年
日本銀行 資金循環の日米欧比較「図表2 家計の金融資産構成」(3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー