夫が来年定年ですが、「老後資金2000万」を準備できそうです。平均的な年金と合わせたら、夫婦で月に使える額はどれくらいでしょうか?

配信日: 2025.11.06
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夫が来年定年ですが、「老後資金2000万」を準備できそうです。平均的な年金と合わせたら、夫婦で月に使える額はどれくらいでしょうか?
定年退職が近づくと、老後資金に不安を感じるかもしれません。一定年齢に達すると年金受給の対象になりますが、年金とは別に貯蓄など資産を形成しようと計画している人も多いでしょう。
 
今回のケースでは、年金とは別に老後資金として2000万円を用意している世帯を見ていきます。本記事では、貯蓄2000万円と標準的な年金受給額をベースにした場合、どのような収支バランスになる可能性があるか解説します。
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一般的な年金受給額

今回のケースの夫婦世帯を、老齢厚生年金を受け取る夫(平均標準報酬で40年間就業)と、老齢基礎年金(満額)を受け取る妻という設定にしましょう。日本年金機構によると、上記の場合、受け取れる年金額は「23万2784円」です(令和7年4月分から)。
 

年金のみで毎月の支出はカバーできる?

年金のみで月の生活費をカバーできるかどうかは、毎月の平均支出によります。
 
仮に、今回のケース同様に夫婦の年齢を65歳以上としましょう。総務省統計局の「家計調査報告(令和6年)」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合、実収入および非消費支出と消費支出の平均は次の通りです。


・実収入:25万2818円
・非消費支出:3万356円
・消費支出:25万6521円

平均の実収入は今回のケースの収入と異なるため一概には比べられませんが、支出全体は「28万6877円」に達します。
 
今回のケースの夫婦に同額の支出が発生する場合、年金収入23万2784円と支出の差額はマイナス5万4093円、年換算でマイナス64万9116円です。
 
老後を夫婦ともに25年とした場合、合計で1622万7900円のマイナスが発生します。ただし今回のケースでは貯蓄が2000万円あるため、不足分はカバーできると考えられるでしょう。
 
単純計算では、マイナス分の1622万7900円を差し引くと、377万2100円が手元に残ります。これを25年間で割ると、15万884円となり、さらに12ヶ月で割ると約1万2574円です。よって、平均支出とは別に夫婦が自由に使用できる金額は、おおむね月1万2000円になります。
 
今回の「老後資金2000万円」が退職時の貯蓄で、これとは別に退職金が発生する場合、あるいはほかに金融資産が見込める場合、自由に使える金額はさらに増えるかもしれません。
 

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平均支出以外の出費に注意する必要がある

上記の計算はあくまで単純計算です。ライフスタイルの変化や人生のイベントによって、平均支出を上回る出費が発生する可能性は否めません。
 
大きな出費が突然発生すれば、自由に使えると思っていた額が目減り、もしくは消失することもありえます。前述の平均消費支出に含まれている費目は次の通りです。


・食料
・住居
・光熱/水道
・家具/家事用品
・被服および履物
・保健医療
・交通/通信
・教育
・教養娯楽
・その他の消費支出(交際費など)

けがや病気などが発生した場合、治療費として多大な出費を要する可能性があります。あるいは住宅の建て替えや、災害による被害、熟年離婚による財産分与、家族の不幸による出費など、不測の事態によるコストが生まれるかもしれません。
 
ある程度の余裕がある老後資金を確保できても、状況によっては収支バランスが大きくゆがむ可能性はあります。
 
不測の事態を完全に回避することは不可能とはいえ、月の支出を減らしたり、働けるうちは在職老齢年金の支給停止調整額を考慮しつつ働いて貯蓄を増やしたりするなど、資金計画を夫婦で検討することは大切です。
 

年金と貯蓄2000万円では月1万2000円ほどを自由に使える可能性がある

平均的な年金受給額と平均支出を比べた場合、月あたり約5万4000円のマイナス(1年では64万9116円のマイナス)が発生します。しかし貯蓄が2000万円あれば、少なくとも30年間は不足分を賄える計算です。
 
また老後の人生を25年間と仮定した場合、不足分をカバーした上で、月1万2000円ほどを自由に使えるようです。
 
ただし、ライフイベントにより予想外の出費が発生する可能性があるため、実際にそれだけの余裕が出るかは分かりません。不測の事態に備えて、収支バランスの改善を図ることは大切です。
 

出典

日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要 18ページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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