母が心筋梗塞で介護状態に。介護施設に入居する際は、月額費用のほかに医療費や入居一時金など、総額どのくらいかかるのでしょうか?
本記事では、介護施設に入居する際にどのような費用がどれくらいかかるのか、そして入居施設の選定方法について解説します。
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
介護施設に入居する際の費用について
介護施設に入居する際にかかる費用は、主に以下の3つの費用があります。その費用の合計が総額となります。
1. 入居一時金
介護施設に入る際には、初期費用として入居一時金を支払うケースがあります。入居一時金は、家賃相当額などを前払いする性質を持ち、施設の種類や立地、サービス内容によって大きく変動します。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの公的施設では、原則として入居一時金が不要な施設が多いです。一方、民間施設(介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームなど)では、費用不要な施設もあれば、数百万円、場合によっては数千万円まで施設によって大きな幅があります。
2. 月額費用
介護施設の利用には、月額費用がかかります。月額費用の内訳は、居住費(家賃・管理費)、食費、水道光熱費などが主な項目ですが、施設の種類やサービス内容によって相場が異なってきます。以下が相場例です。
・特別養護老人ホーム:10万円~14万4000円
・介護老人保健施設:8万8000円~15万1000円
・ケアハウス:7万5000円~12万4000円
・介護付有料老人ホーム:14万4000円~29万8000円
・住宅型有料老人ホーム:8万8000円~19万1000円
・サービス付き高齢者向け住宅:11万1000円~20万円
3. その他の費用
(1)医療費
施設で提供される医療サービスや、外部の医療機関受診にかかる費用は、月額費用とは別にかかります。お母さまが介護のきっかけとなった心筋梗塞後の状態によっては、定期的な診察や投薬、リハビリが必要になる可能性がありますので、入居する施設とよく相談しましょう。
(2)日常生活費
月額費用とは別におむつ代、理美容代、レクリエーション費、個人的な消耗品費などは基本料金とは別に自己負担となることが一般的です。
入居施設の選定方法
ここまで見てきたように、施設への入居費用は、施設の種類やお母さまの介護度や医療ニーズなどによって大きく異なります。したがって、具体的な総額を算出するためには、入居する施設を決めなければなりません。
そのためには、専門的かつ包括的なサポートが必要ですので、お住まいの地域の地域包括支援センターやケアマネジャーに相談するとよいでしょう。なお、施設を決めるにあたっては、専門家のサポートを受けながら、以下のステップを踏むことをお勧めします。
1. 介護ニーズと医療ニーズの確認
お母さまの要介護度や、心臓の状態に関する医療的なサポート(医療処置、服薬管理、リハビリの頻度など)を明確にする必要があります。
2.適切な施設の種類を選定
お母さまに必要な医療ケアを提供できる施設(医療対応の有料老人ホーム、介護医療院、介護老人保健施設など)を入居する候補先として、複数の施設を選定します。
3. 施設見学・見積もりを依頼
選定した複数の施設を実際に見学し、お母さまの状態や要望を伝えたうえで、入居する際にかかる「入居一時金」「月額費用」「その他の費用(医療費・日常生活費)」を含めた詳細な見積もりを出してもらいましょう。
まとめ
持病があって介護施設に入居する場合には、必要な医療ケアが提供できる施設を選定することが必要です。まずは、お住まいの地域にある地域包括支援センターなどの公的機関に相談しながら複数の施設を実際に見学しましょう。
その際に、それぞれから入居する際にかかる「入居一時金」「月額費用」「その他の費用(医療費・日常生活費)」を含めて総額いくらかかるか見積もりを出してもらい、お母さまの要望も伺いながら、入居施設を決定するとよいでしょう。
出典
厚生労働省 地域包括支援センターの業務
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー