共働きで世帯年収900万円です。それでも「老後資金まで考えると不安」なのは、ぜいたくしているからでしょうか…? 老後に向けていくらくらい貯めておけば安心ですか?

配信日: 2025.11.08
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共働きで世帯年収900万円です。それでも「老後資金まで考えると不安」なのは、ぜいたくしているからでしょうか…? 老後に向けていくらくらい貯めておけば安心ですか?
「共働きで世帯年収は900万円。それなりに頑張って働いているのに、将来が不安になるのはぜいたくしているからなのか」――このような疑問や不安を抱える家庭もあるかもしれません。
 
日々の生活は成り立っていても、「老後まで安心」と言い切れる世帯は実は多くないのです。今回は、世帯年収900万円でも老後に不安を感じる理由と、その不安を少しでも軽くするために今からできる備えについて考えていきます。
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共働き・世帯年収900万円でも「将来が不安」と感じるのは普通?

総務省統計局の「家計調査/家計収支編 二人以上の世帯(2024年)」によれば、夫婦共働き世帯における1ヶ月の実収入は平均71万3540円、年収に換算しておよそ860万円となっており、今回の事例における世帯年収900万円はそれを上回る水準です。
 
表面上は余裕があるようにも見えますが、それでも老後に不安を感じる世帯は珍しくないでしょう。
 
背景には、家計支出の増加傾向があります。特に都市部に暮らす共働き世帯では、住宅ローンや家賃、保育料、教育費、交通費など、生活の質を維持するための固定費が多く、結果的に貯蓄に回す余裕が少ないのが実情です。
 
また、スマートフォンや保険料、サブスクリプションサービスなど、毎月自動的に支出される費用は、意識しないうちに家計を圧迫しています。こうした「見えにくい固定費」の存在が、自由に使えるお金を減らし、精神的な余裕を奪っている可能性があります。
 
つまり、世帯年収の多寡に関係なく、将来への不安を感じるのは当然のことともいえるのです。
 

老後資金はいくら必要? 高齢者世帯の平均データから考える

老後の生活に必要な資金についてはさまざまな試算がありますが、金融庁金融審議会が2019年に公表した市場ワーキング・グループ報告書では、夫婦2人の老後生活(30年想定)に約2000万円の資産が必要とされています。
 
これは公的年金などの収入だけではまかなえない生活費の不足分を補うための金額です。
 
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、夫婦高齢者無職世帯の1ヶ月あたりの平均支出(消費支出+非消費支出)はおよそ28万7000円であるのに対し、年金収入を含む平均的な実収入は約25万3000円です。
 
単純にこの差額約3万4000円を30年間埋めるとすると、必要な金額はおよそ1200万円になります。
 
もっとも、これはあくまで平均的なモデルケースです。住宅ローンが完済しているか否か、子どもの独立状況、今後の医療費や介護費の見通しなど、家庭ごとの状況によって必要な老後資金は変動します。
 
しかし、おおよその目安として1200万円~2000万円程度を想定しておくことは、老後の生活設計を立てるうえで有益といえるでしょう。
 

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不安を減らすには? 今から始められる資金準備と考え方

老後の不安を和らげるには、まず必要な金額の目安を知ること、そしてその備えを現実的な形で始めることが重要です。
 
例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった制度を活用することで、税制優遇を受けながら長期的に資産形成ができます。特にiDeCoは掛金が全額所得控除の対象となるため、節税効果も期待できます。
 
また、家計の見直しも大切です。保険料や通信費、使っていないサブスクリプションサービスなどがあれば、見直しや解約を検討することで固定費を減らすことができます。そうした積み重ねが将来への備えにつながります。
 
さらに、将来の支出や収入をシミュレーションし、ライフプランを可視化することで、漠然とした不安が具体的な課題へと変わります。そうなれば、必要な対策も明確になり、行動に移しやすくなるでしょう。
 
老後の不安に対しては、「何となく心配」という気持ちを持ち続けるのではなく、今できる行動をひとつずつ積み重ねていくことが最も効果的です。
 

まとめ:不安を“前向きな行動”に変えることが大切

「共働きで年収900万円もあるのに不安なのは、自分たちがぜいたくしているからでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、収入の多寡にかかわらず、将来に不安を抱えるのはごく自然な感情です。
 
重要なのは、その不安を放置せず、「どうすれば安心につながるか」を考えることです。収入を支出が上回っていないかを見直し、活用できる制度を取り入れ、将来の家計像を描く、そうした積み重ねによって、老後の不安は徐々に小さくなっていくはずです。
 
今この瞬間の行動が、未来の安心につながっていきます。不安を感じたときこそ、一歩踏み出す好機といえるでしょう。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2024年 表番号 3-11<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 妻の就業状態,世帯類型別
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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