退職金「1500万円」で実家のフルリフォームをする予定だという両親。老後の住みよさも大事ですが、貯金500万円・2人で年金「月15万円」では心許ないように感じます…

配信日: 2025.11.21
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退職金「1500万円」で実家のフルリフォームをする予定だという両親。老後の住みよさも大事ですが、貯金500万円・2人で年金「月15万円」では心許ないように感じます…
両親が退職金の1500万円で実家のフルリフォームを検討しているようだけれど、貯金が500万円程度、年金収入は2人で月15万円という状況では、老後の暮らしに不安を感じるのも無理はありません。
 
統計データによれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月に3万円超の赤字が出ている状況が示されています。本記事では「退職金1500万円・貯金500万円・年金月15万円」という条件で、実家リフォームを含めた老後の資金設計について考察します。
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統計データが示す“平均的な老後家計”の収支ギャップ

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における月の平均実収入は約25万3000円、そのうち約22万5000円が年金などを含む社会保障給付です。
 
一方、平均支出(消費支出+非消費支出)は約28万7000円と、月に3万円以上の赤字が続く構造となっています。これをもとに考えると、年金月15万円(年180万円)のご両親は、平均より収入が大幅に低く、支出次第では赤字額もさらに広がる恐れがあります。
 
仮に平均的な支出で生活した場合、年160万円以上の不足が生じ、貯金500万円は3年ほどで底をつく可能性もあるでしょう。こうした状況でのリフォームには慎重さが求められます。
 

リフォームを加えた「老後の現実的な収支モデル」

ご両親が1500万円の退職金でフルリフォームを予定している場合、それが一括支出であれば、今後の生活資金の多くを住まいに充てることになります。
 
年金が月15万円、支出が月28万円程度と仮定すれば、毎月約13万円の赤字となり、年間では156万円程度の持ち出しです。すると、貯金500万円は3年程度で枯渇する計算になります。
 
リフォーム後も、固定資産税や住宅設備の維持費、医療費などが加わるため、支出が減るとは限りません。生活に直結する資金をすべてリフォームに使ってしまうと、予想外の出費に対応できなくなる恐れがあります。リフォームは老後の安心にもつながりますが、資金の使い道としてはリスクも大きい選択肢です。
 

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リフォームを検討する際の3つのチェックポイント

まずは、退職金の使い道を明確にし、どれだけを住まいに充て、どれだけを生活や予備費として残すかを計画する必要があります。リフォームに全額を使ってしまうと、今後の医療費や介護費に備える余裕がなくなります。
 
また、リフォームを進める前には、その目的や優先順位を明確にしておくことが重要です。例えば、老後の暮らしやすさを重視するのであれば、バリアフリー化や断熱性の向上など、生活の質を高める工事を優先すべきでしょう。
 
一方で、見た目の刷新や大がかりな間取り変更は費用がかさむこともあるため、どの部分にどれだけお金をかけるかを冷静に判断する必要があります。生活資金とのバランスを見ながら、「必要なリフォーム」と「欲しいリフォーム」を見極めることが大切です。
 
さらに、年金以外に収入源があるか、今後得られる見込みがあるかも確認しておきましょう。年金収入が少なめである以上、支出を減らす工夫と併せて、資産の取り崩しペースにも目を向ける必要があります。長生きリスクも考慮して、生活資金を確保しながらのリフォーム計画を立てることが重要です。
 

まとめ

退職金1500万円を使った実家のフルリフォームは、老後を快適に過ごすうえで有効な手段のひとつです。
 
しかし、年金月15万円、貯金500万円という状況では、生活費とのバランスを慎重に見極めなければなりません。統計データと照らしてみると、リフォームに多額を投じることは将来の生活資金を圧迫するリスクも伴います。
 
「住まいの快適さ」と「家計の安心」を両立させるには、資金の配分を明確にし、支出のシミュレーションを行うことが欠かせません。計画的な判断をもとに、ご両親が安心して暮らせる老後を実現できるようサポートしていきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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