老後が心配です。貯金500万円と退職金1000万円で老人ホーム代は、足りるのでしょうか?

配信日: 2025.11.29
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老後が心配です。貯金500万円と退職金1000万円で老人ホーム代は、足りるのでしょうか?
現役時代は自分の老後を想像することが難しいかもしれませんが、50代になってくると定年後の自分について考える機会が増えてくるでしょう。今回は、独身の方の老後資金について考えてみます。
篠原まなみ

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士

外資系証券会社、銀行で20年以上勤務。現在は、日本人、外国人を対象とした起業家支援。
自身の親の介護、相続の経験を生かして分かりやすくアドバイスをしていきたいと思っています。

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独身の割合

40代くらいまでは何となくもしかしたら将来、結婚するかもと思っていた人も50代になるとこのまま一生独身かもと思うようになるかもしれません。
 
総務省統計局の「令和2年 国勢調査」によると、50代の独身の割合は、50~54歳で32.2%(未婚21.6%+死別・離別10.6%)、55~59歳で29.2%(未婚16.9%+死別・離別12.3%)になります。
 
男女別に見ると、50代の独身男性の割合は、50~54歳で34,5%(未婚26.6%+死別・離婚7.9%)、55~59歳で30.8%(未婚21.6%+死別・離婚9.2%)、女性は50~54歳で29.9%(未婚16.5%+死別・離婚13.4%)、55~59歳で27.7%(未婚12.2%+離婚+死別15.5%)と男性の独身の割合、特に未婚率が高くなっています。
 

老人ホームとは

独身の場合は頼れる配偶者がいないので、配偶者がいる人よりも将来、老人ホームに入居することを考える人が多いかもしれません。老人ホーム入居の年齢は60歳以上や65歳以上としているところが多いですが、特定の場合は60歳未満でも入居できるようです。
 
老人ホームには、(1)介護付き有料老人ホーム、(2)住宅型有料老人ホーム、(3)特別養護老人ホームなどがあります。以下で、それぞれの特徴と費用を見ていきましょう。
 

(1)介護付き有料老人ホーム

介護専用型と混合型があります。介護専用型は、要介護1以上という入居制限があります。
 
一方、混合型の場合は、自立から要介護まですべての人が入居可能です。自立の段階で入居して、将来、要介護になった場合でも住み続けることができます。
 
費用についてですが、ホームの場所、設備、部屋の広さ、提供されるサービス、施設内の調度品等により変わってきますが、入居一時金は0~数千円、月額費用は15~35万円程度です。
 

(2)住宅型有料老人ホーム

食事、洗濯、清掃サービスなどの生活支援サービスは付いていますが、介護サービスは付いていません。そのため、介護状態になったときは、訪問介護などの在宅サービス事業者と契約する必要があります。入居一時金は0~数千円、月額費用は12~35万円程度です。
 

(3)特別養護老人ホーム

原則として要介護3以上の重い介護状態の人が対象となっています。公的施設のため、介護付き有料老人ホームや住宅型老人ホームと比較をして費用は安く、入居費用は0円、月額費用は5~15万円程度です。
 
相談者の場合、貯金と退職金合わせて1500万円ですが、仮に年金が65歳から月額15万円の場合、介護付き有料老人ホーム費用月額25万円だとすると月額マイナス10万円(年額120万円)で、1500万円を取り崩すと12.5年しか持ちません。
 

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老後資金を増やす方法

老人ホームの費用を準備するためには、資金を増やす必要があります。
 

(1)できるだけ長く働く

健康であるならば、ストレスにならない程度に週数回でも働いて貯金を増やします。併せて年金受給を繰下げで遅らせることで、受給額が増えます。
 
例えば、70歳まで繰下げると受給額は42%(月0.7%×12ヶ月×5年)増えます。最大75歳まで繰下げることができ、75歳まで繰下げると84%増えます。老齢基礎年金、老齢厚生年金、どちらかだけ繰下げることも可能です。
 

(2)貯蓄の一部を運用に回す

物価高対策として、税優遇のあるNISAやiDeCoを活用して、低リスク商品で長期に資産運用をします。
 
iDeCoに関しては、2025年度の税制改正大綱で、2027年1月から加入可能年齢が最高70歳に引き上げられることが決定しましたので、運用期間の短さを理由に加入をためらっていた50代の人でも利用しやすくなります。
 

まとめ

貯金500万円と退職金1000万円と合わせて1500万円は少ない金額ではありませんが、老人ホーム入居となると余裕がある金額ではありません。
 
まずは、自分がどういった老後を送りたいのかをシミュレーションし、いくつまで自宅で生活をしたいのか、老人ホームに入居するならどういったサービスを求めているのかを現実的に考えることから始めましょう。
 
自分が希望するサービスを提供する老人ホームの費用が50代の現時点で確保できていなのようであれば、なるべく長く働いて貯金や年金を増やすようにしましょう。また、自立して生活できる期間を少しでも延ばすように、健康的な生活を心掛けることも大切です。
 

出典

総務省統計局 令和2年国勢調査 結果の概要 人口等基本集計結果
日本年金機構 年金の繰下げ受給
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト
金融庁 NISA特設ウェブサイト
 
執筆者 : 篠原まなみ
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士

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