定年再雇用の任期満了後は「シルバー人材センター」で働くという夫。「給料が安い」イメージがあるのですが、「一般的な年金額」と合わせれば生活費は賄える?

配信日: 2025.11.29
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定年再雇用の任期満了後は「シルバー人材センター」で働くという夫。「給料が安い」イメージがあるのですが、「一般的な年金額」と合わせれば生活費は賄える?
老後の生活を年金収入だけでやっていけるかは、誰しもが不安に思うことかもしれません。とはいえ、加齢による体力や持久力の低下などから、仕事をするにも体力的に厳しく、簡単には見つからない可能性もあるでしょう。
 
たとえ仕事が見つかったとしても、続けられる自信がないという方もいるかもしれません。そのような場合に、「シルバー人材センター」で働くという選択肢もあります。比較的余裕を持った働き方ができるイメージのシルバー人材センターですが、実際に働いてみて、家計に余裕ができるほどの収入を得られるのでしょうか。本記事で解説します。
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「シルバー人材センター」の報酬は平均「月3~5万円」程度

公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会の「令和6年度全国統計」によれば、企業での売上高にあたる、発注者から受け取った「契約金」は令和6年時点で3200億円(シルバー派遣を含む)でした。会員はこの「契約金」の中から、賃金ではなく「配分金」の形で報酬を受け取ります。
 
同協会Q&Aによると、配分金は「全国平均で月8~10日就業した場合、月額3~5万円程度」だそうです。仕事はセンターが「請負契約」「委任契約」の形で受注し、会員は原則として発注者ではなく、センターを通じて業務に従事します
 

令和7年度モデル世帯の年金額は「23万2784円」

日本年金機構は標準的な収入(賞与含む月額換算で標準報酬月額が45万5000円)で40年間就業した場合に受け取れる老齢厚生年金と、夫婦2人分の老齢基礎年金を合算した金額を、「モデル年金」として毎年公表しています。
 
令和7年度の年金額は令和6年度から1.9パーセント引き上げられ、モデル年金は「23万2784円」になりました。年金を受給していても、シルバー人材センターからの配分金を問題なく受け取れます。ただし、配分金は「雑所得」として計上されるため、金額や就労状況によっては確定申告が必要となるケースもあるようです。
 

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老後の平均生活費よりも「少しだけ余裕を持てる」可能性も

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2024(令和6年)平均結果の概要」によると夫婦高齢者無職世帯の消費支出は月額25万6521円です。消費支出がこの金額の場合、モデル年金だけでは持ち出しが発生する可能性が高いでしょう。
 
しかし、シルバー人材センターの配分金3万円を合わせると1ヶ月につき「6000円程度」の余裕が生まれる可能性があります。実際の収支バランスは各世帯によって異なるものの、シルバー人材センターなら余裕を持ったペースで働きつつ、老後資金の取り崩しを最低限に抑えて生活できるかもしれません。
 

まとめ

年金額は年々引き上げられているとはいえ、夫婦高齢者無職世帯の消費支出をまかなえる金額ではない可能性があります。本記事では、シルバー人材センターで働くという選択肢について解説しました。
 
シルバー人材センターの配分金は年金に比べればわずかな額ですが、年金と合わせれば世帯の消費支出を上回る金額になる可能性があります。これで不安がなくなるというわけではありませんが、貯金の取り崩しを減らす意味でも少しは心持ちが違うのではないでしょうか。
 
また、シルバー人材センターで働き、社会との接点を持ち続けられるという点でも意義があるといえるでしょう。年金生活で不安を感じている方々は、シルバー人材センターで働くという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
 

出典

公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会 契約金額・加入会員数・団体数の推移(全国)
公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会 お仕事をしたい方Q&A
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2024(令和6年)平均結果の概要 図65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支ー2024年ー(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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