40歳から「毎年200万円×貯金のみ」で“FIRE”は厳しいですか?「年率3%・5%」での資産運用なら可能でしょうか?「9000万円」貯めるケースで試算
本記事では、FIREの基本的な目安を基に、年間200万円を貯金するケースで何歳にリタイアできるのかを試算します。さらに、投資による運用を併用した場合、リタイア時期をどれだけ早められるのかもシミュレーションするので、参考にしてみてください。
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目次
FIRE達成のための目標資産額
FIREを達成するために必要な目標資産額を計算するための国際的な基準には、「25倍の法則」と「4%ルール」があります。まずは、これらを理解しておきましょう。
「25倍の法則」とは
「25倍の法則」とは、年間にかかる生活費の25倍の資産をためれば、経済的自立が達成できるという考え方です。この資産を年率4%で運用し、そこから生活費を取り崩していくことで、資産が目減りするリスクを抑えながら生活できるとされています。
例えば、リタイア後に夫婦で余裕のある生活を送るために月30万円、年間で360万円の生活費が必要だと仮定します。FIRE達成に必要な目標資産額は「年間生活費360万円✕25倍=9000万円」となり、この金額がFIREを目指す資産額です。
「4%ルール」の根拠
25倍の法則の根拠となっているのが、「4%ルール」です。これは、株式と債券に分散投資を行った場合、資産全体から毎年4%ずつ取り崩しても30年間で資産が尽きる確率は非常に低い、という研究結果から誕生しました。
元手である9000万円を用意し、この4%を年間生活費に充てることで、経済的な自立が可能になります。
年200万円の貯金のみでFIRE可能年齢をシミュレーション
40歳から貯金を開始し、目標資産額9000万円に向けて毎年200万円を貯金し続けた場合、何歳でFIREが実現するのかを計算してみましょう。現在、貯金以外には資産がないと仮定します。
9000万円を貯金200万円だけでためる場合、「9000万円÷200万円=45年間」がかかります。現在は40歳なので、リタイア可能年齢は「40歳+45年=85歳」です。
85歳でのリタイアは、定年を迎えるよりもはるかに遅いため、FIREできるとはいえないでしょう。
資産運用を取り入れた場合のFIRE可能年齢は?
貯金のみではFIRE達成時期が85歳となるため、実現は困難です。そこで、貯金に加えて資産運用を取り入れた場合でシミュレーションしてみましょう。ここでは、毎年200万円(月16万6667円)の貯金を続けながら、その資金を年率3%と年率5%で運用できたと仮定して計算します。
年率3%で運用した場合
年率3%で比較的安定した利回りが得られた場合、目標資産額9000万円を達成するまでの期間は約28年8ヶ月です。そのため、「40歳+28年=68歳」となり、定年退職とほぼ同じ年齢で経済的自立を達成できます。しかし、早期リタイアとまではいえないかもしれません。
年率5%で運用した場合
「S&P500」など指数に連動する投資信託を長期保有した際に期待できる、「年率5%」で運用できたと仮定します。この場合、複利の効果がさらに強く働き、目標資産額9000万円を達成するまでの期間は約23年11ヶ月に短縮されます。
このケースのリタイア可能年齢は、「40歳+23年=63歳」です。定年が65歳である場合、数年ではありますが早期リタイアが可能になります。年間200万円の拠出額自体は変わらなくても、運用利回りが高水準となれば達成時期を早めることが可能です。
60代での目標金額9000万円達成は、本来のFIREの定義からはやや遅く感じられる場合は、より高い年率で運用する必要があるかもしれません。
貯金だけでのFIREは不可、資産運用に取り組もう
40歳から毎年200万円を貯金しても、貯金のみではFIREの目標資産額9000万円に到達するのは85歳となり、早期リタイアは不可能です。FIRE実現時期を前倒しするためには、資産運用を取り入れることが重要になります。
高い年率による安定した運用が実現できれば、目標達成時期はさらに短縮できるでしょう。確実に複利の力を味方につけられるかどうかがFIRE達成の鍵です。40代からのFIREを目指すなら、積極的に資産運用に取り組んでみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー