77歳の母と同居をするにあたり「年金」「貯金」はすべて管理したいです。高齢の母は「自分で管理できる」と言いますが、問題が起きないでしょうか…?

配信日: 2025.12.17
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77歳の母と同居をするにあたり「年金」「貯金」はすべて管理したいです。高齢の母は「自分で管理できる」と言いますが、問題が起きないでしょうか…?
親が高齢になると、認知症や判断能力の衰えなどにより、お金の管理が難しくなることがあります。その場合、詐欺や判断ミスなどを防ぐために、家族が金銭管理をサポートするケースも少なくありません。
 
今回のケースでも70代後半の母親のお金管理を子どもが申し出ていますが、心配が尽きないようです。このようなケースでは「成年後見制度」が役立ちます。
 
本記事では、成年後見制度の概要やメリットについて解説します。
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「成年後見制度」とは

成年後見制度とは、さまざまな理由で正確な判断をすることが困難になっている方を「成年後見人」がサポートする制度です。
 
知的障害や精神障害、認知症などを患っている方は、お金のことはもとより重要な決定をひとりで下すことに不安を感じるケースが珍しくありません。そのような方々を法的に保護し、本人の意思を尊重した支援を行うための制度です。
 

成年後見制度の種類

成年後見制度には、大きく以下の2種類があります。
 

・法定後見制度:家庭裁判所が成年後見人等を選任し法律的にサポートする制度
・任意後見制度:本人の判断能力があるうちに、将来に備えて事前に委任内容や任意後見人を決めてサポートしてもらう制度(取消権はない)

 
申立人や後見人の権限、申し立て手順は両者で多少異なります。
 
厚生労働省によれば、法定後見制度については、対象者の状態によって、さらに以下3種類に分けられます。
 

・後見:対象者の判断能力が常に欠けている場合
・保佐:対象者の判断能力が著しく不十分な場合
・補助:対象者の判断能力が不十分な場合

 
このうち対象者が最もサポートを必要としている状態は「後見」です。またサポートする側が最も多くの権限を持つのも「後見」です。
 
法定後見制度の場合、本人のためにどのような保護や支援が必要かなどの事情に応じて、家庭裁判所が成年後見人等を選任します。選任されるのは、以下のような人たちです。
 

・本人の親族
・法律や福祉の専門家
・福祉関係の公益法人 など

 
複数の成年後見人等が選任されるケースもあるようです。
 

77歳の母親はサポートが必要?

今回のケースの場合、母親はまだサポートの必要を感じていないようです。仮に十分な判断能力があるならば、将来必要があるときにサポートしてもらえるよう、任意後見制度の利用を促せるかもしれません。
 
一方、本人は「大丈夫」と言っているものの、明らかに不安要素がある場合、法定後見制度を家族が申し立てする方がよいかもしれません。厚生労働省の資料によれば、配偶者や4親等内の親族は申し立てできます。
 
家庭裁判所に調査や審判をゆだねることで、必要な措置を講じられるかもしれません。
 

成年後見制度のメリット

成年後見制度を活用すると、以下のような項目で、本人の意思決定を尊重した支援が行われます。
 

・財産(不動産、預貯金、遺産など)の管理や手続き
・介護や福祉サービスの利用契約
・不利益な契約の取り消し(法定後見制度のみ)

 
具体的な例も挙げましょう。
 

・物忘れが増えた本人が、悪質な業者からのセールス電話でだまされそうになったため、成年後見人を申請。結果、万が一誤って契約してしまっても、法定後見制度であれば後から取り消しできる仕組みがあるため、家族も安心して見守れるようになった
 
・使いもしない高額商品を買ったり、暗証番号を忘れたりと不安要素があったため成年後見人を選任。成年後見制度を申請した後は、成年後見人が本人に代わって銀行の手続きをしてくれるようになった

 
このように成年後見制度は、本人が不利益を被らず、社会的に安心して過ごせる環境を整えてくれます。
 

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母親の判断力が心配なら、成年後見制度を利用することで詐欺や不利益を被る契約を防ぎやすい

判断能力が衰えている状態の人をサポートする制度として、成年後見制度があります。対象者の家族が当制度を活用することで、詐欺や不利益を被る契約などから対象者を守れる可能性が高まります。
 
サポートが必要と思われる本人とよく話し合い、任意後見制度の利用を勧められるかもしれません。現時点での判断能力に重大な疑いがある場合は、法定後見制度の申し立てをすることも検討できます。
 

出典

厚生労働省 成年後見制度の現状 1.成年後見制度の概要(1~2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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