退職金1300万円があれば、老後は“年金だけでも大丈夫”と思っていたら…退職金は税金面で本当に不利? 手取り額や実際の負担をシミュレーション

配信日: 2026.01.25
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退職金1300万円があれば、老後は“年金だけでも大丈夫”と思っていたら…退職金は税金面で本当に不利? 手取り額や実際の負担をシミュレーション
退職金は、会社を退職する際に支給される大切な老後資金です。「退職金が1300万円あれば、あとは年金だけで生活できるのでは」と考える人もいるでしょう。一方で、退職金には税金がかかるのか、手取りはいくらになるのかといった点が不安になることもあります。
 
本記事では、一時金として受け取る退職金に適用される「退職所得控除」の仕組みを整理したうえで、退職金1300万円の手取り目安を確認し、年金だけの暮らしが現実的かどうかを、公的統計を基に考えます。
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退職金の税制優遇「退職所得控除」とは

退職金を一時金で受け取る場合、税務上は「退職所得」として扱われます。退職所得には、給与や年金とは異なる「退職所得控除」という特別な税制優遇が設けられています。
 
国税庁によれば、退職所得の金額は、「(源泉徴収される前の収入金額-退職所得控除額) ×1/2」という計算方法がとられます。さらに、退職所得は原則として他の所得と合算せずに税額を計算する分離課税とされている点も特徴です。
 
退職所得控除額は勤続年数によって決まり、長く勤めているほど控除額が大きくなります。20年以下の場合は「40万円×勤続年数(最低80万円)」、20年を超える場合は「800万円 +70万円×(勤続年数-20年)」で計算されます。
 

退職金1300万円の手取りはどうなる?

例えば勤続年数が30年の場合、前述の計算式より、退職所得控除額は1500万円となります。この場合、退職金1300万円は控除額の範囲内に収まり、課税退職所得金額がゼロとなり所得税がかかりません。
 
退職金は「税金が高そう」という印象を持たれがちですが、実際には勤続年数が長い人ほど税負担が大きく軽減される仕組みになっています。ただし、実際の税額は個別の状況によって異なるため、上記は参考としてください。
 

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年金だけで生活できるかは家計収支次第

では、退職金1300万円があれば老後は年金だけで本当に足りるのでしょうか。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1ヶ月の実収入は約25万円、その大半を年金などの社会保障給付が占めています。
 
一方、消費支出や非消費支出を合わせた支出は、収入を上回る水準となっており、平均的には毎月3万円程度の赤字となっています。
 
この差額は、貯蓄の取り崩しで補われているのが実情です。つまり、年金だけで収支が完結する世帯は必ずしも多くなく、退職金や貯蓄が生活費の補てんに使われているケースが一般的といえます。
 

退職金1300万円は「余裕資金」とは限らない

仮に毎月数万円の赤字が続けば、年間では数十万円の取り崩しになります。これが10年、20年と続けば、退職金1300万円も決して十分余裕があるとは言い切れません。さらに、高齢期には医療費や介護費などの支出が増える可能性があり、想定外の出費に備える必要もあります。
 
退職金は老後生活を支える重要な資金ですが、「あれば安心」と考えるのではなく、どの程度の期間、どのように使うのかを具体的に考えることが重要です。
 

まとめ

退職金1300万円は、退職所得控除によって税負担が大きく軽減され、勤続年数によっては所得税がかからないケースもあります。税制面では決して不利な扱いではないでしょう。
 
一方で、年金だけでは家計収支が赤字になりやすい高齢者世帯も多く、退職金は生活費を補うための重要な資金となります。退職金があるからといって、老後資金に余裕があると過信するのは注意が必要です。
 
退職金の金額そのものに安心感を求めるのではなく、年金収入とのバランスや取り崩しのペースを含めて考えることが、老後資金を見誤らないためのポイントといえるでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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