高齢の母の「施設代・月25万円」の支払いで、貯金が「750万→500万円」に激減した会社員…同僚に話したら「月20万くらい余分に払ってる」と言われ驚愕! 申請で“約8割戻ってくる”制度とは
「えっ、月25万円も払ってるの?『高額介護サービス費』を申請すれば、毎月20万円くらい戻ってくるかもしれないよ」
それが本当なら、家計にとって救世主のような話です。しかし、そんなうまい話があるのでしょうか。本記事では、介護費用の負担を劇的に減らせる可能性がある「高額介護サービス費」の仕組みと、同僚のアドバイスが本当なのかについて検証します。
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同僚が言った「20万円戻る」の根拠とは
まず、同僚が口にした「高額介護サービス費」とはどのような制度なのでしょうか。
上限を超えた分が戻ってくる仕組み
高額介護サービス費とは、1ヶ月(1日から末日まで)に支払った介護サービスの利用者負担額(1~3割負担分)の合計が、所得に応じた「上限額」を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。
母親の所得区分が一般的な「現役並み所得相当」未満であれば、自己負担の上限額は「月額4万4400円」となります。同僚は、おそらく次のように計算したのでしょう。
・毎月の支払い: 25万円
・制度の上限額: 4万4400円
・戻ってくる金額: 25万円-4万4400円=20万5600円
数字の上では、確かに毎月20万円以上が戻ってくる計算になります。しかし、残念ながら現実にはこれほど多くの金額は戻ってきません。なぜなら、施設に支払う25万円の中には「制度の対象外」となる費用が含まれているからです。
「対象になる費用」と「ならない費用」
高額介護サービス費の計算対象になるのは、あくまで「介護サービスの利用者負担分(1~3割)」だけです。施設からの請求書をよく見ると、費用は以下のように分かれているのではないでしょうか。
・介護サービス費(1割負担):約3万円
・居住費(部屋代):約6万円
・食費:約4万5000円
・日常生活費(理美容代など):約1万5000円
・施設独自の加算・保険外サービス:約10万円(個室代の差額など)
この中で、高額介護サービス費の対象となるのは「介護サービス費」のみです。居住費や食費、日常生活費などは、そもそも介護保険の対象外(全額自己負担)であるため、いくら高額になってもこの制度ではカバーされません。
実際の払戻額は「0円」かもしれない
上記の例の場合、対象となる介護サービス費は「3万円」です。一般的な上限額である「4万4400円」を下回っているため、払い戻される金額は0円となります。
同僚のアドバイスは、制度の仕組み自体は正しいものの、「施設代のすべてが対象になる」と勘違いしていた可能性が高いです。「25万円払っているから20万円戻ってくる」というのは、残念ながらぬか喜びに終わるケースが多いのです。
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それでも申請すべきケースとは
では、この制度は役に立たないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。以下のようなケースでは、大きな恩恵を受けられる可能性があります。
1. 世帯全員が「住民税非課税」の場合
もし、親を含む世帯全員が住民税非課税であれば、上限額はさらに下がり、「月額2万4600円」や「1万5000円」になります。この場合、先ほどの「介護サービス費3万円」でも、上限(2万4600円)を超えた「5400円」が毎月戻ってきます。年間で約6万5000円の節約になるため、決して小さくありません。
2. 複数のサービスを併用している場合
施設サービスだけでなく、福祉用具のレンタルや訪問介護など、複数のサービスを組み合わせて利用している場合、それらの負担額(1~3割部分)はすべて合算できます。合計額が上限を超えれば、申請によってお金が戻ってきます。
過去2年までさかのぼって申請可能
「過去に上限を超えていたのに申請していなかった」という場合でも、諦める必要はありません。高額介護サービス費の時効は2年です。自治体の介護保険課に問い合わせれば、過去の支給漏れがないか確認し、さかのぼって申請することができます。
まとめ
同僚の言う「20万円戻ってくる」は、施設代に含まれる食費や居住費を考慮していないための誤解である可能性が高いです。しかし、所得が低い世帯や、介護度が高くサービス利用料(1割負担分)がかさんでいる場合は、数千円~数万円が戻ってくる可能性があります。
まずは毎月の領収書を確認し、「介護サービス費」の項目がいくらになっているかチェックしてみてください。そして該当しそうであれば、迷わず自治体の窓口へ相談に行きましょう。
出典
厚生労働省 月々の負担上限(高額介護サービス費の基準)が変わります
厚生労働省 サービスにかかる利用料
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

