ひとり暮らしの親の言動が最近おかしいと感じます。認知症かもしれません。認知症の介護が不安なのですが、支援制度はありますか?

配信日: 2026.02.05
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ひとり暮らしの親の言動が最近おかしいと感じます。認知症かもしれません。認知症の介護が不安なのですが、支援制度はありますか?
平均寿命が長くなったことに伴い、認知症やひとり暮らしの高齢者の数は年々増加しています。厚生労働科学研究の資料によると、独居認知症高齢者数は、2025年には121万人、2050年には171万人になると報告されています。85歳以上になれば、認知症は誰にでも起こり得えます。
 
そこで本記事では、認知症に備えて、どのような支援制度があるのかを解説します。
新美昌也

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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高齢者の相談窓口

「最近、親の言動がおかしい」「部屋が散らかりだした」などのケースが見られたとき、高齢者の相談窓口として、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターが頼りになります。地域包括支援センターは高齢者のための相談窓口です。中学校区に1つは設置されていますので、市区町村の介護保険課などの窓口よりも身近にあり便利です。
 
地域包括支援センターには、主任ケアマネジャー、保健師、社会福祉士等が配置されているので、介護、医療、福祉のことなどさまざまな相談に乗ってもらえます。
 
また、その地域で同じような境遇の家族が情報交換の場として誰でも参加できる、「認知症カフェ」もありますので参加してみるとよいでしょう。
 

お金の管理が難しくなったら

認知症が進行して判断能力が衰えると、財産管理が難しくなるため、詐欺の標的になり財産をだまし取られるリスクが高くなります。お金の管理が難しくなったら、社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」の利用を検討してみるとよいでしょう。
 
この事業は、成年後見制度の利用に至るほどではないが判断能力が不十分な方に対して、預金の払い戻し、預金の解約、預金の預け入れの手続き等、利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)や契約のアドバイスなどを提供してくれるサービスです。
 
相談や支援計画にかかる費用は無料です。利用料は社会福祉協議会によって異なり、例えば、目黒区社会福祉協議会の場合、金銭管理は基本料金1500円(1時間)、福祉サービスなどの利用手続きは基本料金1500円(1時間)、通帳・年金証書・権利証等の重要書類の預かりは1000円(月)などとなっています。
 

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将来の認知症に備えて後見人を指定する任意後見制度

認知症等で判断能力が低下したときの財産管理や入院・入所等の手続きを支援する制度に、「法定後見制度(後見・保佐・補助)」があります。
 
判断能力が低下してから申し立てる、「法定後見制度」の後見人は家庭裁判所が決めるので、誰が後見人に選任されるのか不確実だというデメリットがあります。
 
後見人に親族を希望していても親族が選任されるとはかぎらず、見ず知らずの弁護士や司法書士などの専門職が選任されるケースも多くあります。しかも、家庭裁判所が決める報酬額が本人の財産から支払われます。
 
判断能力があるうちに信頼する後見人を定めておく、「任意後見制度」を公正証書で締結しておけば、「法定後見制度」に移行したときにその人に後見人になってもらえますので安心です。
 
本人やその配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者が申し立てを行い、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて任意後見契約の効力が生じます。
 
任意後見契約公正証書の作成に必要な費用として、作成の基本手数料1万1000円、登記嘱託手数料1400円、登記所に納付する印紙代2600円や本人等に交付する正本等の証書代、登記嘱託書郵送用の切手代などがかかります。
 

民事(家族)信託の利用

信託とは、本人(委託者)の大切な財産を、家族等信頼できる人(受託者)に管理してもらい、自分が決めた目的に沿って大切な人や自分(受益者)のために運用・管理してもらう制度です。
 
親が認知症になった場合、預貯金の引き出しや不動産の売却などの財産管理ができなくなります。
 
このような場合、民事信託を利用すると、親(委託者)が自分の不動産や預貯金を子ども(受託者)に信託し管理してもらい、その財産から生じる利益は親(第一受益者)が受け取り、親が亡くなった後は子ども(第二受益者)が受け取る、といったことができます。
 
このように、本人が認知症になっても「法定後見制度」を利用せずとも財産管理を継続できるメリットがあります。ただし、民事信託の組成は難しいので、その活用には専門家に相談するなど慎重な検討が必要です。
 
また、専門家に依頼した場合、家族信託を組成するのに必要な費用や管理コストがかかるのが難点です。
 

生命保険の「指定代理請求制度」の利用

民間保険会社の「介護保険」や「認知症保険」に加入すれば、介護費用に備えることができます。その際、指定代理請求制度を利用しましょう。
 
指定代理請求制度とは、被保険者本人が認知症や高度障害などのため、本人による保険金の請求が難しくなった場合に備えて、契約者からあらかじめ指定した代理人(一定の家族)が被保険者に代わって、保険金等を請求できるようにする制度です。法定後見制度を利用しなくても、保険金等の請求ができるのがメリットです。
 

まとめ

本記事では、認知症に備えて、どのような支援制度があるのか主なものを紹介しました。ひとり暮らしの親のことで相談したいときは、まずは、親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談しましょう。どのような支援制度があるのか、今後どのような窓口に相談すればよいのかなど、情報を得ることができます。
 

出典

厚生労働科学研究成果ベース 独居認知症高齢者等の地域での暮らしを安定化・永続化するための研究
厚生労働省 地域包括ケアシステム
厚生労働省 日常生活自立支援事業
社会福祉法人目黒区社会福祉協議会 日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)
厚生労働省 成年後見はやわかり 任意後見制度とは(手続の流れ、費用)
 
執筆者 : 新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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