40代「年収500万円」で“退職金なし”の会社に勤務中…妻に「退職金ある会社に転職したら?」と言われますが、今からでもNISAで「月2万円×年率5%」運用すれば、退職金代わりになりますか?
本記事では、40代から毎月2万円を積み立てて運用する場合、退職金相当の資金を作れるのか試算します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種
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退職金の支払いタイミングはさまざま
現在の日本では、平均的な定年退職年齢は60歳が中心です。ただし、2013年の法改正で希望者は60歳以降も働けるようになったことで、定年退職の年齢は65歳、70歳へと変わりつつあります。
ただ、実際の退職時期は個人や企業、雇用形態によって幅があります。退職金が支払われるタイミングも一律ではありません。定年退職時に一括支給されるケース、再雇用期間終了時に一括支給されるケース、定年時と再雇用終了時で分割支給されるケースなどがあります。
平均的な退職金は大企業で約1878万円
そもそも、退職金制度(一時金・年金)がある企業の割合は74.9%と4社に3社の割合です。企業規模別に見ると、「1000人以上」が90.1%、「300~999人」が88.8%、「100~299人」が84.7%、「30~99人」が70.1%となっています。
定年退職金の平均額は、大企業の場合約1878万円で、中小企業の場合はこれを下回っています。東京都の場合、中小企業で定年まで勤務した場合のモデル退職金は、大卒で約1149万円、高卒で約974万円です。比較的賃金水準が高いとされる東京都でも、大企業と比べると半分程度にとどまっています。
つまり、企業規模が小さいほど退職金制度がなかったり、もらえても大企業と比較して少額であることが多いようです。
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月2万円20年間積立運用したら退職金相当になるか?
退職金制度のない企業に勤めている場合、仮に45歳から毎月2万円ずつNISA「つみたて投資枠」で運用したら、65歳で支給される退職金相当の金額に到達するでしょうか?
目指す退職金相当額を2000万円、年率は「つみたて投資枠」を長期保有した場合の目安である5%として、20年間運用した場合を想定すると、65歳時の資産額は約822万円になる計算です。2000万円には届きません。運用資産額が2000万円に到達するためには、毎月の積立金額を約4万8700円まで引き上げる必要があります。
または、毎月2万円に加えて、年2回のボーナス時に各20万円(ボーナス計40万円)を追加すると、65歳時点の合計は約2170万円になり、目標達成できる計算です。
では、目標とする退職金相当額を1000万円にしたらどうなるでしょうか。年率などの他の条件は同じとすると、20年間運用した65歳時の金額は約822万円で1000万円には届かず、毎月の積立金額約2万4330円に引き上げると1000万円に到達する計算です。
または、年2回のボーナス時に各3万円(ボーナス計6万円)を追加すると、65歳時点で約1024万円になり、目標達成できる計算です。
なお、これらの試算結果はインフレ率や賃金上昇率を考慮していないため、額面上は目標を達成しても生活実感が伴わない可能性がある点に注意が必要です。
まとめ
タイトルの事例のように40代で年収500万円と一口に言っても、単身世帯と子育て世帯などそれぞれの事情によって毎月積み立て可能な金額は異なるでしょう。例えば、子育て世帯の現実的な年間貯蓄額は可処分所得の約10~20%程度と言われており、年間約30万~60万円程度が現実的な目安です。
また、退職金制度は企業によって異なります。転職したばかりだと退職金が大幅減額されたり、再雇用時の契約形態によって税の優遇措置に差が生じたりすることもあります。勤め先の就業規則をよく確認し、退職金制度のない企業にいる人は無理のない資産計画を立てるようにしましょう。
出典
厚生労働省 中央労働委員会 令和5年賃金事情等総合調査 令和5年退職金、年金及び定年制事情調査
東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)
厚生労働省 中央労働委員会 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
執筆者 : 掛川夏
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

