妻から「一緒にいる時間が増えるのはうれしいけど、ずっと家にいられると正直しんどい」と打ち明けられました。定年後の夫婦関係を壊さない働き方は、どう設計すればよいのでしょうか?
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目次
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妻が「ずっと家だとしんどい」と感じるのは、わがままではない
定年前までの平日昼間の家は、妻にとって「自分のペースで回せる場所」だったケースが多いです。そこに夫が毎日いると、会話の頻度や家事のやり方、テレビの音、食事の段取りなど、細かな摩擦が頻繁に生じます。夫は「せっかく時間ができたから一緒に」と思っていても、妻は「息が抜けない」と感じやすいのです。
しかも定年後は、夫婦で向き合う時間が急に増えます。長く同居した夫婦の離婚割合が上昇傾向にあることも報じられており、放置すると不満が積み上がりやすくなります。だからこそ大切なのは、感情論で片づけず、生活の設計ミスとして早めに調整することです。
夫婦関係を壊さないカギは「外の居場所」と「家のルール」を先に決めること
定年後の働き方でまず意識したいのは、収入より先に「家にいない時間」を作ることです。毎日フルで働く必要はありません。週に2〜3日は外に出る、午前だけ働く、固定の曜日だけ働く。こうした“家の密度を下げる”設計が、夫婦のストレスを最小化します。実際、高齢期は社会とのつながりが生きがいにもなりやすく、働く人も増えています。
次に効果的なのが「家のルール」で、ポイントは家事を“手伝い”にしないことです。手伝いは、家事の主導権が妻のままなので、口出しやダメ出しが起きやすくなります。
そこで、おすすめは「担当制」です。例えば平日の昼食は夫、ゴミ出しと風呂掃除は夫、買い物は一緒に行くけれど会計は夫、というように、範囲を決めて夫に任せましょう。すると妻の負担が減り、夫も家の一員として役割を持てるようになります。
そして、最後に「夫婦の時間も予約する」ことです。毎日ずっと一緒にいるより、週1回の散歩や外食など、短くても一緒に過ごす時間を決めておくほうが、気持ちのすれ違いは起きにくくなります。こうした時間を「2人の予定」として固定すると、会話が自然に増えて関係の立て直しにつながるでしょう。
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お金と制度でつまずかない:再雇用・年金・収入ラインの考え方
働き方を設計する際は、「どんな働き方ができるか」を制度面から押さえると現実的になります。
会社員であれば、企業は65歳までの雇用機会を確保するための措置(定年引き上げ、継続雇用、定年廃止など)を講じる義務があります。まずは現職の人事制度で、週何日・何時間まで調整できるかを確認しましょう。
また、70歳までの就業機会の確保は努力義務として、継続雇用だけでなく業務委託などいくつかの形が用意されています。フルタイムが合わないなら、「週3日だけ業務委託」「繁忙期だけスポット」などの働き方も現実的です。
お金の面では、目標を「月いくら稼ぐか」ではなく、「家計の固定費+ゆとり費+予備費」を埋める、という形にすると働き過ぎを防げます。
さらに、厚生年金を受給しながら働く場合は、賃金と厚生年金の合計が一定額を超えると年金が調整される仕組み(在職老齢年金)があります。
制度は見直しが進んでおり、支給停止の目安となる基準額は、2026年4月から65万円です。収入調整を“怖がって働かない”より、先に年金事務所や公式情報で条件を確認し、納得して働き方を決めるのが安全です。
定年後は“毎日一緒”より、夫婦それぞれに心地よい距離を作ろう
定年後の夫婦関係を壊さない働き方は、「家にいない時間」「家のルール」「制度と収入ライン」をセットで設計するのがコツです。妻の言葉は拒絶ではなく、暮らしの再設計を求めるサインだと受け止めたほうがよいでしょう。
週の外出日を決め、家事は担当制にし、夫婦の時間も予定に入れておきましょう。これだけで、「家にいられるのがしんどい」は「同じ家でも気楽に過ごせる」に変わっていくでしょう。
出典
厚生労働省 高年齢者の雇用
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
厚生労働省 在職老齢年金制度の見直しについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー