退職金「2000万円」をもらえる予定ですが「住宅ローン返済」と「NISA運用」どちらが老後資金に有利?
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大企業の「大卒・満期勤続者」の退職金額平均は2200万円
厚生労働省の「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」によると、大卒の満期勤続者の退職金額は平均2230万4000円(調査産業計)でした。高卒では、平均2017万6000円となっています。
また、製造業における満期勤続者の退職金額は大卒が平均2277万3000円、高卒が2003万1000円です。このデータから、満期勤続者の平均退職金額は2000万円以上といえるでしょう。
最新の「老後2000万円問題」は試算上「1200万円」程度になる可能性
老後2000万円問題とは、2019年に金融庁の報告書にて高齢の無職夫婦世帯では30年間で約2000万円の貯蓄を取り崩す必要があると試算された問題です。報告書では2017年のデータを基に試算されていましたが、最新のデータを基に試算し直すとどうなるのでしょうか。
総務省統計局の令和6年の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における実収入は25万2818円です。一方、支出は合計28万6877円となっており、毎月3万4058円不足する計算となります。
この収支で30年生活した場合、生活費の不足分は1226万880円です。2017年当時と比べると不足分は縮小しているため、平均退職金額の2000万円でも十分まかなえる可能性はあります。
しかし、これはあくまで最低限の生活費であり、緊急予備資金や特別な支出などは含まれていません。また、物価上昇により資産価値が目減りするリスクもあります。
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「一括返済」と「退職金のNISA運用」どちらを選ぶ?
ここでは、35年ローンと仮定し、残債を一括返済した場合と返済を続けながらNISAで運用する場合を考えます。
返済中は住宅ローン残高の金利の利息を払い続けるため、返済期間に比例して返済総額が増えます。ローンを一括返済すれば払い続けるはずだった金利の利息がなくなるため、結果的に返済総額を減らせるでしょう。
また、住宅ローンを組む際に保証料を一括で支払っている場合は保証料が戻ってくる可能性もあります。保証料も返済期間に応じてかかるため、一括返済により返済期間が短くなるとその分の保証料が返金されるかもしれません。
一方、NISAで運用する場合は利息を節約できませんが、運用利益を得られる可能性があります。ただし、NISAの生涯非課税限度額は総枠で1800万円のため、退職金の2000万円全ては投入できません。年間投資枠もつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円となっているため、生涯非課税限度額の全てを使い切る場合でも数年以上かかります。
NISAの運用益がローン金利負担をどれだけ上回れるかは市場動向にも左右されるため、リスクを抑えたい場合には、繰上返済手数料を差し引いても1000万円弱が手元に残るのであれば、一括返済を優先するという選択肢も十分に合理的です。そのうえで、残した資金や今後の余剰資金をNISAで運用し、老後資金の目減りを補う方法も有効でしょう。
まとめ
大卒の満期勤続者の退職金は平均2000万円以上です。最新の家計調査の平均値を用いて老後2000万円問題を試算し直すと、65歳以上無職の夫婦世帯では毎月約3万円の赤字となり、この状態が30年間続くとおよそ1200万円程度の不足になる計算です。
退職金をNISAで運用すれば運用益を期待できますが、住宅ローンを一括返済することで総返済額を減らすことも可能です。状況やライフプランに合わせて、どちらの方法が自分に合っているかを考えるとよいでしょう。投資はあくまで余裕資金で行い、長期的な目線で資産を育てていくことが大切です。
出典
厚生労働省 令和3年退職金、年金及び定年制事情調査
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー


