退職金1200万円。「半分は使ってもいい」と夫が言いますが、老後資金として残すべき?

配信日: 2026.02.26
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退職金1200万円。「半分は使ってもいい」と夫が言いますが、老後資金として残すべき?
退職金として1200万円を受け取った場合、「一部を使っても問題ないのか、それとも老後資金として確保すべきか」と迷う人もいるでしょう。退職金はまとまった資金である一方、年金収入や今後の支出水準によっては、老後生活を支える重要な原資となります。
 
本記事では、公的統計や老後の家計モデルを基に、退職金1200万円をどの程度取り崩せるのか、その目安を整理します。
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退職金は老後の命綱! 平均的な受給額と老後の収支を再確認しよう

定年退職という人生の大きな節目に手にする退職金。今回のケースのように1200万円という金額を目にすると、つい気が大きくなってしまうのも無理はありません。しかし、まずは冷静に平均的な受給額と自分たちの立ち位置を把握することが大切です。
 
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、大学・大学院卒業者における定年退職金の1人平均額は1896万円となっていますが、これはあくまで大企業の数字も含む平均です。全体で見れば、1200万円は決して少ない額ではありません。
 
ここで重要なのは「いくらもらったか」ではなく「いくら足りなくなるか」です。総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の消費支出平均は約26万円です。
 
これに対し、公的年金などの社会保障給付は約22万5000円であり、平均では月に約3万4000円の不足が発生するとされています。
 
仮に老後30年間上記の収支水準で生活する場合、生活費の不足分だけで約1220万円が必要となる計算です。つまり、退職金1200万円は「あればぜいたくができるお金」ではなく、平均的な日常生活を維持するための「生活補てん費」として、その大部分が消えてしまう可能性が高いのです。
 

なぜ退職金を半分使うのは危険なのか? 介護・医療への備えから考える

定年後に旅行や趣味を楽しみたいと、「退職金の半分は使ってもよい」と考える人もいるかもしれません。しかし、ほかに十分な貯蓄がない場合、この判断は非常にリスクが高いと言わざるを得ません。
 
老後には、生活費の不足に加え、住宅のリフォーム費用や病気・けがの医療費、さらに介護費用など、さまざまな支出が発生する可能性があります。
 
公益財団法人生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護にかかる費用の月額平均は9万円、期間の平均は55ヶ月です。夫婦2人分を想定すると、これだけで1000万円近い備えが必要になるケースも珍しくありません。
 
もし退職金の半分を車や海外旅行などで一気に消費してしまい、その後で大きな病気や住宅のリフォームが発生した場合、生活水準を急激に下げるか、最悪の場合は老後破綻を招く恐れがあります。
 
「半分は残っている」という安心感は、予期せぬ出費が重なれば一瞬で崩れ去る、脆(もろ)いものであることを理解しておくべきです。
 

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退職金を有効に使うための3つのチェックリスト

とはいえ、全ての退職金を貯金に回して、我慢ばかりの老後を送るのが正解とも限りません。大切なのは、使うにしても優先順位を明確にすることです。以下の3つのチェックリストを夫婦で確認してみましょう。
 

(1)住宅ローンの完済や固定費の削減

残債があるなら、まずは完済を検討しましょう。金利負担をなくすことは、将来の不透明な運用益を狙うよりも確実な節約になり得ます。
 

(2)健康維持と住宅の修繕

高額なリフォームや医療費を抑えるために、まだ動けるうちに「バリアフリー化」や「定期的な健康診断」にお金を使うのは賢い投資といえます。
 

(3)退職後の支出を踏まえた資金配分の考え方

まずは通常どおり退職後の生活を送り、自分たちの支出がいくらになるのかを把握します。そのうえで、退職金を一度に使うのではなく、「年間50万円ずつ趣味や旅行に充てる」といったように、あらかじめ予算配分を考えます。
 
特に「一度に大きな買い物」をすることは避けたほうがよいでしょう。定年後、無計画に数百万円ほどもする高級車などを購入すると、その後の維持費や税金も重くのしかかります。
 
お金を使うのであれば、「今しかできないこと」と「将来絶対に必要になること」をてんびんにかけ、数回に分けて予算化するのが、精神的なゆとりにもつながります。
 

夫婦でキャッシュフロー表を作成し、安心感を持ってセカンドライフを楽しもう

退職金1200万円をどう扱うべきかという問いに対し、一律に「使ってはいけない」と否定する必要はありません。ただし、使う前に、まずは夫婦で将来の「キャッシュフロー表」を作成することをおすすめします。
 
キャッシュフロー表とは、収入や予想される支出、貯蓄残高の推移を一覧にしたものです。
 
数字で現実を直視することで、浪費に向きがちな意識が節約へと変わるかもしれません。老後生活を安定的に送るためにも、将来の見通しを共有し、家計の方針について夫婦で十分に話し合っておくことが重要です。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 結果の概要 4 退職給付(一時金・年金)の支給実態 (2) 退職事由別退職給付額(17ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査 第II部 生活保障に対する意識 2.生活保障に対する考え方 (5)世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の公的介護保険の範囲外費用に対する経済的備え (エ)介護経験 (b)介護期間(176ページ)、(e)介護費用(179ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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