会社から「65歳以降も“業務委託”なら仕事をお願いしたい」と提案されましたが、社会保険や税金の扱いがどう変わるのか分かりません。再雇用と比べてどちらが有利なのでしょうか?

配信日: 2026.02.27
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会社から「65歳以降も“業務委託”なら仕事をお願いしたい」と提案されましたが、社会保険や税金の扱いがどう変わるのか分かりません。再雇用と比べてどちらが有利なのでしょうか?
65歳まで勤めていた会社を定年退職した後も、継続してその会社の仕事を請け負う方法として、再雇用される方法と個人事業主として業務を受託する方法があります。
 
今回は、定年後の働き方として再雇用と業務委託のメリットとデメリットについて解説します。
辻章嗣

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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再雇用で働く場合

定年前の会社で再雇用により働く場合のメリットとデメリットは、以下のとおりです。

1. メリット

・安定した給与収入を得ることができ、収入の見通しが立てやすい
・勤務条件によっては厚生年金と健康保険に加入でき、社会保険面で安心感がある
・労災保険、有給休暇、福利厚生などの制度を利用することができる
 

2. デメリット

・現役時代に比して、給与が大幅に下がるケースが多い
・雇用契約に基づき勤務するため、勤務時間や業務内容の自由度が低い
・在職老齢年金制度により、給与収入が多くなると老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となることがある
・従来の仕事の延長や、より軽微な仕事が割り当てられることが多く、仕事に対するモチベーションの維持が難しくなることがある

 

業務委託で働く場合

定年前の会社から業務委託を受けて、個人事業主として働く場合のメリットとデメリットは、以下のとおりです。

1. メリット

・働く時間、場所、仕事量を自分で自由に決めることができる
・高い技術力や専門的知識があれば、複数の案件を受託することもできる
・個人のペースで仕事することができるため、人間関係のストレスが比較的少ない
・健康であれば、長く働くことができる
 

2. デメリット

・継続して仕事を得られる保証はないため、収入が不安定となる
・原則として、国民健康保険に加入する必要があり、社会保険料の負担が大きくなる場合がある
・労災保険、失業給付、有給休暇などの制度保証がない
・帳簿管理や確定申告などの事務負担が増える

 

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メリットとデメリットを比較すると

再雇用と業務委託のメリットとデメリットを比較すると、図表のとおりに整理することができます。
 
図表1

比較項目 再雇用 業務委託
収入の安定 ◎安定 △不安定
専門技能等の活用 △限定的 ◎生かしやすい
社会保険 ◎厚生年金・健康保険 △国民健康保険
自由度 △低い ◎高い
事務負担 ◎軽い △重い

(筆者作成)
 

どのような方が向いているか

どのような方が再雇用と業務委託を選ぶとよいか、列挙すると以下のようになります。

1. 再雇用が向いている方

・安定した収入を追求したい方
・社会保険を重視される方
・生活リズムを大切にしたい方
 

2. 業務委託が向いている方

・専門技術や知識・経験が豊富な方
・収入よりやりがいを重視したい方
・時間を自由に使いたい方

 

まとめ

定年後の働き方として、再雇用と業務委託の2つの方法があります。
 
再雇用には、収入の安定、社会保険の充実といったメリットがありますが、勤務時間などに制約を受ける、モチベーションを維持することが困難などのデメリットがあります。
 
一方、業務委託は、専門的な技術があれば複数の業務を受託できる、自由裁量の余地が高まるなどのメリットがありますが、収入が不安定となることや社会保険の保障が薄いなどのデメリットがあります。
 
業務委託で働くためには、それなりの技術力や専門知識を持ち合わせていることが前提となりますが、自身の性格などを考慮して老後の働き方を選択するとよいでしょう。
 
執筆者 : 辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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