60歳の母が「“扶養内パート”なら働きたい」と言うのですが、年金とあわせた収入の上限がよく分かりません。どこまで働くと、健康保険の扶養から外れてしまうのでしょうか?
今回は、健康保険の被扶養者と認定される要件について詳しく解説します。
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/
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被扶養者の範囲
健康保険の被保険者と同等の給付を受けることができる被扶養者の範囲は、次の要件を満たす家族となります(※1)。
1. 主として被保険者に生計を維持されている、直系尊属(父母、祖父母など)、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹
2. 被保険者と同一の世帯で、主として被保険者に生計を維持されている次の家族
(1)被保険者の三親等以内の親族(1に該当する人を除く)
(2)被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届け出はしていないが、事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
(3)(2)の配偶者が亡くなった後の父母および子
したがって、被保険者の父母は、同居・別居にかかわらず被扶養者の範囲に含まれます。また、配偶者の父母は、同居を条件として、三親等以内の家族として被扶養者となることができます。
収入の基準
被扶養者の条件である「主として被保険者の収入により生計を維持されている」ことの認定は、認定対象者の収入が以下の基準を満たしていることで判定されます(※1, 2)。
1. 被保険者と同居している場合
認定対象者の年間収入が130万円未満(注1)であり、かつ被保険者の年間収入の2分の1未満であることが要件となります。
なお、認定対象者の年間収入が130万円未満(注1)であり、かつ被保険者の年間収入を上回らない場合には、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときには、被扶養者と認められることがあります。
2. 被保険者と別居している場合
認定対象者の年間収入が130万円未満(注1)であり、かつ被保険者からの仕送り額より少ないことが要件となります。
(注1)認定対象者が以下の場合は、それぞれに定められた金額となります。
・60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障がい者の場合は180万円未満
・認定対象者が19歳以上23歳未満(12月31日時点)の子または孫の場合は150万円未満
したがって、60歳の母親が被扶養者となるためには、母親の年間収入が180万円未満であることが要件となります。
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年間収入とは
被扶養者認定に用いられる年間収入とは、過去の収入ではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます(※2)。
また、被扶養者の収入には、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金、雇用保険の失業等給付も含まれます。
したがって、60歳の母親が公的年金を受給しながら働く場合、年金額と給与収入の合計額が180万円未満であることが、被扶養者になる要件となります。
まとめ
60歳の母親が、公的年金を受給しながら働く場合、年金と給与の合計額が年間で180万円を超えると、被扶養者と認められなくなります。したがって、年間収入が180万円を超えないように給与収入を抑えることに注意する必要があります。
出典
(※1)全国健康保険協会(協会けんぽ) 被扶養者とは?
(※2)日本年金機構 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
執筆者 : 辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
