定年後の再雇用で、「ボーナスはゼロ、昇給もなし」と説明されました。仕事内容は以前とほとんど変わらないのに、この条件を受け入れるしかないのでしょうか?

配信日: 2026.03.05
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定年後の再雇用で、「ボーナスはゼロ、昇給もなし」と説明されました。仕事内容は以前とほとんど変わらないのに、この条件を受け入れるしかないのでしょうか?
定年後も同じ会社で働き続けたいと考える人は少なくありません。しかし、再雇用の条件として「ボーナスなし」「昇給なし」と提示され、戸惑うケースもあります。
 
仕事内容がほとんど変わらない場合、その条件を受け入れるしかないのでしょうか。本記事では、再雇用制度の仕組みや法的な考え方、対応策について分かりやすく解説します。
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定年後再雇用制度の基本と賃金が下がる理由

多くの企業では、定年後も希望者を再雇用する「継続雇用制度」を導入しています。高年齢者雇用安定法により、企業には一定年齢までの雇用確保措置が義務付けられているため、原則として希望すれば働き続けることが可能です。
 
厚生労働省が行った令和6年「高年齢者雇用状況等報告」によると、継続雇用制度を導入している企業は約7割にのぼり、多くの企業で定年後の雇用継続が一般的になっています。ただし、再雇用後は新たな雇用契約を結び直す形となり、賃金や待遇が見直されるのが一般的です。
 
企業側がボーナスや昇給をなくす理由としては、役職定年や責任範囲の縮小、人件費の調整などが挙げられます。
 
定年前は将来の昇進や長期的な人材育成を前提にした賃金体系であったのに対し、再雇用後は「職務給」や「貢献度重視」に切り替わるケースもあります。そのため、仕事内容が似ていても、賃金水準が下がることは珍しくありません。
 

仕事内容が同じ場合、待遇差は問題にならないのか

「ほとんど同じ仕事なのに、ボーナスも昇給もないのは不公平ではないか」と感じるのは自然なことです。ここでポイントとなるのが、同一労働同一賃金の考え方です。パートタイム・有期雇用労働法では、不合理な待遇差を設けることを禁止しています。
 
ただし、基本給や賞与の有無は、職務内容だけでなく、責任の程度や配置転換の範囲なども総合的に考慮されます。
 
判例でも、定年後再雇用者と正社員との間に一定の賃金差を認めたケースがありますが、その差が合理的かどうかが争点となります。単に「再雇用だから」という理由だけで大幅に待遇を下げることは、問題となる可能性もあるのです。
 

条件を受け入れる前に確認したいポイント

提示された条件をそのまま受け入れる前に、まずは労働条件通知書や就業規則を確認しましょう。賃金体系の根拠や、賞与不支給の理由が明確になっているかが重要です。不明点があれば、人事担当者に具体的な説明を求めることも大切です。
 
また、仕事内容や責任範囲が本当に変わらないのかを整理することも必要です。もし業務内容が正社員時代とほぼ同一で、責任も重いままであれば、待遇差の合理性について話し合う余地があります。社内での交渉が難しい場合には、社会保険労務士や労働局の相談窓口を活用する方法もあります。
 

収入減少に備えた現実的な選択肢

再雇用後の収入減は、多くの人にとって避けがたい現実です。そのため、公的年金の受給開始時期や在職老齢年金の仕組みを理解し、総収入ベースで考えることが重要です。場合によっては、働き方を調整することで手取り額が大きく変わることもあります。
 
さらに、他社への転職や業務委託として働く選択肢も視野に入ります。経験や専門性があれば、定年前と同等、あるいはそれ以上の条件で働ける可能性もあります。再雇用の条件だけに縛られず、自身の市場価値を客観的に見直すことが、納得のいく選択につながります。
 

条件をうのみにせず、納得できる選択を

定年後の再雇用で「ボーナスなし・昇給なし」と提示されても、必ずしも無条件で受け入れる必要があるとは限りません。待遇差が合理的かどうかを確認し、説明を求めることは労働者の正当な権利です。
 
そのうえで、年金や他の働き方も含めて総合的に判断することが大切です。長年働いてきた自分の経験を大切にし、納得できるセカンドキャリアを築いていきましょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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