75歳で預金が「3000万円」あるのに不安で使えないです。夫は「少しずつ使えば?」と言いますが、安全資産の目安ってどのくらいですか?
そのため、資産をどの程度“安全資産”として確保し、どこから取り崩していくのかを整理することが重要です。本記事では、一般的な生活費の水準や平均寿命を踏まえながら、安全資産の目安について考えます。
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「貯蓄3000万円」は平均値を大きく上回る!
今回のケースにおける3000万円の預金は、平均額と比べて非常に高い水準にあります。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年(二人以上世帯調査)」によると、金融資産保有額の平均値は1940万円、より実態に近いとされる中央値は720万円です。
また、これは保険や有価証券などを含めた金融資産全体の金額であり、預貯金の平均保有額は平均745万円となっています。つまり、預金3000万円は全体平均の約4倍にあたります。
さらに年代別にみると、70代における金融資産保有額は平均2416万円、中央値は1178万円とされています。預貯金に限った場合の平均保有額は936万円です。今回のケースのように預金が3000万円ある場合、70代の平均的な預貯金額と比べても大きく上回る水準にあることが分かります。
このように、全体平均だけでなく同年代との比較でみても、3000万円という預金額は相対的に高い水準に位置しているといえます。
医療・介護・葬祭費で備えるべき“安全資産”のひとつの目安は「1000万円程度」
「いくらあっても不安」という感情の正体は、予期せぬ支出への備えが不透明であるためと考えられます。老後における不安要素である「医療費・介護費・葬祭費」の3点について、確保しておくべき金額の目安を計算してみましょう。
(1)介護費用
公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護期間の平均は55ヶ月、月々の平均費用は9万円とされています。つまり、総額の目安は約500万円です。
(2)医療・葬祭費
高額療養費制度があるため、医療費の自己負担には上限がありますが、予備費として200万~300万円程度あると安心です。また、葬儀の平均額は、返礼品や飲食費、葬儀費用などを含めて総額120万円ほどになるというデータもあります。
これらを踏まえると、1世帯あたり1000万円程度を当面は取り崩さない資金として確保しておくことが、ひとつの目安になると考えられます。実際に必要な額は家計の状況や健康状態によって異なりますが、一定の余裕資金を持つことは安心材料のひとつになるでしょう。
まとめ
75歳という年齢は、今後の生活設計を具体的に考える時期でもあります。将来への備えとして資産を確保しておくことは重要ですが、取り崩しの計画を立てないまま年齢を重ねると、結果として活用の機会が限られてしまう可能性もあります。
例えば、当面の生活費や医療・介護への備えとして一定額を「安全資産」として分けて管理し、残りを生活の充実や余暇に充てる資金として位置づける方法も考えられます。資産を「守る部分」と「活用する部分」に分けて整理することで、将来への備えと現在の生活の質の両立を図りやすくなります。
老後の資産管理は、単に残高を維持することだけでなく、どのように取り崩していくかを含めた全体設計が重要です。数字を確認しながら、自身の価値観に沿った使い方を検討していくことが求められます。
出典
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2025年 二人以上世帯 各種分類別データ(令和7年) 4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)、6 種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査 第II部 生活保障に対する意識 2.生活保障に対する考え方 (5)世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の公的介護保険の範囲外費用に対する経済的備え(エ)介護経験 (b)介護期間(176ページ)、(e)介護費用(179ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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