【退職金1000万円】使い道は「住宅ローン繰り上げ返済」「NISAで資産運用」どちらが“正解”?「利息・運用益」それぞれをシミュレーション
本記事では、住宅ローンの繰り上げ返済とNISAでの資産運用、それぞれのシミュレーション結果や、2つを両立させる方法について解説します。
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目次
「住宅ローン」の繰り上げ返済、いくら節約できる?
住宅ローンは、毎月決まった額を返済していくほか、残債の一部または全額を前倒しで支払う「繰り上げ返済」を選択することも可能です。手数料がかかる場合もありますが、利息の合計(総返済額)を軽減できるメリットがあります。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、二人以上世帯の60歳代における住宅ローン残高の平均額は697万円、中央値は300万円、最頻値は700万~1000万円未満、1000万~1500万円未満、2000万円以上が同値の10.3%となっています。
今回は、同機構のアーカイブサイト 「知るぽると」のシミュレーターを用いて、以下の条件で繰り上げ返済のシミュレーションをしてみましょう。
・当初借入元金:3000万円
・当初借入期間:35年
・経過年数:30年(元利均等返済)
・借入金利:初回から5%(簡略化のため金利変動はなしとする)
・繰り上げ金額:残債の802万円を全額返済
上記の条件で試算すると、102万7751円の利息負担を軽減できる計算になります。
今回の試算は、簡略化のため金利変動なしとしましたが、実際の住宅ローン金利は、金利タイプや金融機関によって差があります。例えば、変動金利の場合、2026年3月時点の変動金利は最低0.59%、最高4.375%と設定されています。
“退職金1000万円”をNISAで10年運用するといくら利益がでる?
金融庁のWebサイトにある「つみたてシミュレーター」を用い、退職金約1000万円を分割して以下の内容で積立投資したと仮定して試算してみましょう。
・積立金額:8万5000円
・想定利回り:3%
・積立期間:10年
以上の条件で試算すると、元本1020万円に対し運用収益165万円、合わせた運用資産額は1185万円となる計算です。
上記の通りに運用収益が出れば、前記した住宅ローンの利息102万7751円を上回る結果となります。しかし、少なくとも5年程度は、月々の住宅ローン返済とNISAの積立で家計に影響が及ぶかもしれません。
また、利回りはあくまでシミュレーションのため、運用成績によっては元本割れを起こす可能性もあります。リスク許容度を十分に考慮した上で判断しましょう。
「ローン返済」と「資産運用」の両方を選択するのも1つの方法
住宅ローン完済と資産運用どちらを選ぶ場合も、老後の資金計画や生活スタイルで変わることから確実な正解はないと思われます。繰り上げ返済と資産運用は両立が可能であり、退職金を投資同様にリスク許容度に応じて振り分けるのも有効な選択肢でしょう。
また、住宅ローンを早期完済すれば、住宅の担保(抵当権)を抹消するメリットがあります。バリアフリーのリフォームなどで新たに融資を検討する場合、元の住宅ローンに少しでも残債があると、新規借入を断られたり融資額を減額されたりすることがあります。
まとめ
退職金1000万円の使い道について、住宅ローンを完済すれば約102万円の利息軽減、NISAで運用すれば約165万円の収益が期待できるシミュレーション結果となりました。
しかし、金利変動や利回りで変わるため、どちらが正解とは言い切れません。ローン返済と資産運用を両立させる方法を、家族で話し合ってみてはいかがでしょう。
出典
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2025年
一般社団法人住宅金融普及委員会 住宅ローンの金利情報
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー