今年、退職金「1500万円」を受け取る予定ですが、投資は損をしそうで不安です…。老後資金はやはり預金で持つのが無難でしょうか?
本記事では、退職金1500万円をどのように管理していくべきかについて、現実的な選択肢を整理していきます。
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目次
退職金1500万円を「預貯金だけ」で持つリスクとは? 物価上昇で資産が目減りする可能性を解説
退職金というまとまった資金を受け取った際、「元本を減らしたくない」と考え、預貯金で保有する選択を検討する方も多いと考えられます。これは、家計の安定を重視するうえで自然な判断といえるでしょう。
一方で、現在のように物価上昇が続く環境では、預貯金のみで資産を保有する場合、実質的な価値が目減りする可能性がある点にも留意が必要です。そのため、安全性と資産価値の維持のバランスを踏まえた管理が求められるといえます。
現在、日本では物価上昇(インフレ)が続いています。総務省統計局が発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)2月分)」によると、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で1.6%上昇している状況です。
もし今後も年1.5%程度の物価上昇が続いた場合、現在の1500万円で買えるものは、10年後にはおよそ1290万円相当の価値にまで目減りしてしまう可能性があります。
一方で、大手銀行の普通預金金利は、2026年4月現在、おおむね0.3%程度です。これでは物価上昇のスピードに追いつけず、通帳の数字は変わらなくても、購買力は確実に落ちてしまうでしょう。
「預貯金なら安全」という考え方は、インフレ下では「何もしないことがリスク」になり得るのです。
投資は本当に「損をする」のか? NISAを活用した分散投資の効果
投資を不安に感じる背景には、バブル崩壊やリーマンショックのような「一気に資産がなくなるイメージ」があるのかもしれません。
一方で、「長期・積立・分散」といった投資手法は、短期的な値動きに左右されにくく、リスクを抑えながら資産形成を図ることを目的としたものであり、いわゆる投機的な運用とは性質が異なるとされています。
特にNISAは、一定の条件のもと、運用益が非課税になる仕組みです。例えば、1500万円のうち一部を「全世界の株式」や「国内外の債券」などに分散投資した場合、短期的には価格が上下しますが、10年、20年という長期で見れば、世界経済の成長に合わせ、年利数%の収益を期待できる可能性が高まります。
もちろん元本保証ではありませんが、特定の1社に投資するのではなく、数千社に分散する投資信託を利用することで、倒産などによって資産がゼロになるようなリスクは低く抑えられるでしょう。まずは「投資=ギャンブル」と捉えるのではなく、経済成長の恩恵を取り込む仕組みのひとつとして理解することが重要です。
不安を安心に変える「資産の切り分け術」! 500万円を予備費、1000万円を運用に回す提案
投資に対する不安を解消するためには、「資産の切り分け」をすることが有効です。例えば、1500万円を以下の3つの枠に分けて考える方法が挙げられます。
(1)「使う」お金(予備費):500万円
急な病気やリフォーム、冠婚葬祭、数年以内の旅行資金などとして、いつでも引き出せるお金として確保します。すぐに引き出せる現金があることで、心理的ハードルは大きく下がります。
(2)「守りながら増やす」お金:500万円
価格変動が比較的緩やかな「債券」などを中心とした投資信託で運用します。
(3)「育てる」お金:500万円
NISAのつみたて投資枠などを活用し、「全世界株式」などで長期的な成長を目指します。
このように「万が一の時の現金」をしっかり確保することで、投資に対する不安を軽減し、安心して資産運用に取り組みやすくなると考えられます。
老後資金は「預貯金と運用のハイブリッド」がおすすめ! 資産を賢く活用してゆとりある老後を目指そう
退職金1500万円をどう管理するかという問いに対して、「預貯金か投資か」の二者択一で考える必要はありません。おすすめなのは、両方のメリットを組み合わせた「ハイブリッド運用」です。
預貯金は「確実性」を提供してくれますが、インフレには弱い傾向です。一方で投資は「成長性」をもたらしてくれますが、短期的には元本割れのリスクがあります。この2つを適切な比率で組み合わせることで、インフレから資産を守りつつ、日々の生活の安心感も維持することができるでしょう。
出典
総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)2月分(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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