退職金は「平均1900万円」と聞き衝撃! 私は“退職金なしの会社”に勤めていますが、勤務先によって生涯年収に「2000万円」近く差が出るなんて…日本の“平均退職金額”を確認

配信日: 2026.04.24
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退職金は「平均1900万円」と聞き衝撃! 私は“退職金なしの会社”に勤めていますが、勤務先によって生涯年収に「2000万円」近く差が出るなんて…日本の“平均退職金額”を確認
退職金なしの会社に勤めていると、「老後、自分は本当に大丈夫なのだろうか」と漠然とした不安を抱える人も多いのではないでしょうか。
 
結論から言えば、退職金がないからといってすぐに老後資金が不足するわけではありません。ただ、退職金ありの会社との生涯賃金の差は2000万円近くになる可能性があります。
 
今回の記事では、厚生労働省などの統計データをもとに、日本の退職金の平均額や制度のない企業の実態を整理するとともに、退職金なしの会社員が老後資金を準備する方法についても解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

日本の退職金の平均とは?

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、大学・大学院卒で勤続20年以上かつ45歳以上で定年退職した場合の退職金平均額は1896万円です。
 
仮に、退職金ありの企業となしの企業の賃金が同水準であるなら、単純計算で退職金ありの企業となしの企業では生涯賃金に2000万円近い差が生じる可能性があります。ただし、企業規模によって退職金の支給額は大きく変わります。
 
中央労働委員会の資料によると、大企業の事務・技術(総合職)で大学卒の定年退職した際のモデル退職金は2858万円です。一方、東京都産業労働局の資料によると、中小企業の大学卒では1149万円にとどまり、両者の差は1700万円以上に広がります。
 
また、退職理由も支給額を左右する重要な要素で、自己都合退職は定年退職や会社都合退職と比べて0.5~2割ほど減額されるケースが珍しくありません。
 
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、退職金の水準は長期的に下落傾向にあり、2018年と2023年の比較では大学・大学院卒平均で約87万円低下しています。老後資金を退職金だけに頼るのはリスクを伴い、現役のうちから計画的に備えていく重要性が高まっているといえるでしょう。
 

退職金が支給されない企業はどのくらいある?

退職金制度がない会社は、決して少数派ではありません。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、制度を持たない企業の割合は全体の約24.8%、つまり4社に1社にのぼります。
 
企業規模別に見ると、従業員1000人以上の大企業で退職金制度なしの割合は8.8%である一方、30~99人規模の中小企業では約3割が制度を設けていません。退職金を支払うかどうかは各企業の判断に委ねられており、労働基準法に支給を義務付ける規定はないため、制度がなくても法律上の問題はありません。
 
業種ごとの傾向を見ると、製造業や金融業など長期雇用を前提とする業種では制度が整っている企業が多い傾向があります。一方、IT業界やベンチャー企業では退職金を設けず、増えた人件費を給与水準や成果報酬に反映させるケースも珍しくありません。
 
退職金の有無だけで職場を評価するのではなく、給与水準や福利厚生も含めた総合的な待遇で判断する視点を持つのが大切です。
 

退職金があれば老後は楽勝? 支給なしの会社員はどう貯める?

退職金を受け取ったとしても、老後資金に余裕があるとは限りません。
 
厚生年金の標準的な夫婦2人分の受取額は月約24万円である一方、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2025年度)によると、ゆとりある老後生活の目安は月約39万円とされ、年金だけでは毎月約15万円不足するという試算もあります。
 
退職金制度がない場合、iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して退職金代わりの資金を積み立てていく方法が有効です。iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象になり、運用益も非課税で、受取時には退職所得控除や公的年金等控除が適用されるなど、3段階で税制優遇を受けられます。
 
また、2024年から非課税保有期間が無期限化し、生涯投資枠が1800万円に拡大された新NISAを活用するのも有力な選択肢です。iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、NISAはいつでも売却・引き出しが可能なため、ライフステージに応じた柔軟な運用に向いています。
 
iDeCoとNISAを組み合わせながら、30代のうちから積み立てを始めれば、時間を味方につけた資産形成が実現できます。まずは小さな金額からでも早めに動き出すのが、将来の安心につながるといえるでしょう。
 

まとめ

日本の退職金平均は、大学卒・定年退職で約1896万円ですが、企業規模や勤続年数によって1000万円以上の差が生じることもあります。
 
また、退職金制度のない企業は全体の約4社に1社にのぼり、特に中小企業では珍しい状況ではありません。制度の有無は法律上の義務ではなく、退職金がないからといって問題のある会社とは一概にはいえないでしょう。
 
老後は、年金だけでは毎月約15万円の不足が見込まれる場合もあるため、退職金制度のない会社員はiDeCoやNISAを活用して、自身で老後資金を準備していくことが重要です。早めの積み立て開始が資産形成の成否を左右しますので、まずは今の収支を見直し、無理のない金額から始めてみましょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査の概況
中央労働委員会 令和5年賃金事情等総合調査 「令和5年退職金、年金及び定年制事情調査」
東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)8 モデル退職金
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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