両親は70歳でも「月10万円」稼いでいます。最近“働く高齢者”をよく見かけますが、年金が足りず「生活が苦しい」のでしょうか? 実家にいくらか援助すべきですか?

配信日: 2026.04.27
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両親は70歳でも「月10万円」稼いでいます。最近“働く高齢者”をよく見かけますが、年金が足りず「生活が苦しい」のでしょうか? 実家にいくらか援助すべきですか?
一昔前は、年金生活者はのんびりと生活するというイメージだったかもしれませんが、昨今は多くの高齢者が働いています。とはいえ、実際に両親がそのような働き方をしていると、「生活が苦しいのでは」「子どもとして支援したほうがいいのでは」と悩む人もいるでしょう。
 
本記事では、公的データをもとに高齢者の収入や就業状況を確認しながら、支援が必要かどうかを判断するポイントについて解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

年金+月10万円の収入で生活は成り立つ?

まずは、収入のイメージを整理してみましょう。厚生労働省によると、2026年度夫婦2人分の標準的な年金額は月額約23万7000円とされています(男性が平均的な収入で40年間会社員として働いた場合のモデルケース)。
 
ここに月10万円の収入が加わると、世帯の月収は約33万7000円になります。一見すると十分な収入に思えるかもしれませんが、実際の生活費と照らし合わせる必要があります。
 

現代の高齢者はどれくらい働いている?

続いて、どれほどの高齢者が働いているのかみていきましょう。内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、65~69歳の就業率は53.6%、70~74歳でも35.1%となっています。
 
つまり、70歳前後で働いていること自体は決して珍しいことではなく、3人に1人以上は働いているという状況です。このことから、「70歳でも働いている=特別に生活が苦しい」とは必ずしもいえないことが分かります。
 

高齢者の生活費はいくらかかる?

続いて、支出面を見てみましょう。総務省の「家計調査報告(2025年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における、1ヶ月あたりの平均的な支出は以下の通りです。


・消費支出:26万3979円
・非消費支出:3万2850円

合計すると、月の支出は約29万6000円となります。これを先ほどの収入(約33万7000円)と比較すると、単純計算では毎月約4万円程度の余裕がある計算になります。
 
ただし、これらはあくまで平均値のため、個々の事情によって生活に余裕があるのか、苦しいのかは一概にはいえません。突発的な医療費や介護費などの臨時支出を考慮すると、余裕がない場合もあるでしょう。
 
また、家計調査の平均的な支出の住居費には持ち家の世帯も含まれるため、1万7000円程度と比較的低い金額となっています。都市部で賃貸に住んでいる場合などは、これよりも支出が大きくなる可能性がある点には注意が必要です。
 

高齢者が働く理由は生活のためだけではない

高齢者が働く理由は、必ずしも生活費の不足だけではありません。もちろん、年金だけでは不安という理由で収入を補っている人もいますが、それ以外にも「健康維持のため」「社会とのつながりを持ちたい」「時間を有効活用したい」といった理由で働いているケースも多く見られます。
 
そのため、「働いている=困っている」と決めつけるのは適切ではありません。むしろ、本人が前向きに働いている可能性もあります。
 

支援が必要か判断するポイント

それでは、実際に支援が必要かどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。まず確認したいのは、家計の収支バランスです。両親の収入と支出を把握し、赤字になっていないかをチェックすることが重要です。
 
次に、貯蓄の状況です。仮に毎月の収支が均衡していても、急な医療費や介護費用に備えた資金が十分でない場合は注意が必要です。また、本人の意思も大切なポイントです。生活のために無理をして働いているのか、それとも元気だから働きたいのかによっても、支援の必要性は大きく変わります。
 
これらを踏まえたうえで、必要に応じて生活費の一部をサポートしたり、医療費や介護費用の備えを一緒に考えたりすることが現実的な対応といえるでしょう。
 

まとめ

年金をもらいながら働いて収入を得ている高齢者は、現在では決して珍しい存在ではありません。また、標準的な年金額と生活費を比較すると、必ずしも生活が厳しいとは限らず、働く理由も人それぞれです。
 
重要なのは、働いているから支援が必要と決めつけるのではなく、家計状況や本人の意向を踏まえて判断することです。必要に応じて無理のない形でサポートしながら、親世代の生活を尊重することが大切といえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします
内閣府 令和7年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)第2節 高齢期の暮らしの動向 1 就業・所得
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2025年(令和7年)平均結果の概要
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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