会社から早期退職を打診されました。退職金1.5倍の上乗せしてくれるとのことで魅力を感じていますが、早期退職するデメリットはありますか?

配信日: 2026.04.29
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会社から早期退職を打診されました。退職金1.5倍の上乗せしてくれるとのことで魅力を感じていますが、早期退職するデメリットはありますか?
会社から早期退職を打診され、退職金を増額すると言われると、前向きに検討したくなる人は少なくありません。まとまったお金を受け取れるため、住宅ローンの返済や老後資金の準備に役立つと考える人もいるでしょう。
 
ただし、早期退職は退職金の金額だけで判断すると、退職後の生活で思わぬ負担が生じることがあります。そこで本記事では、早期退職を検討する際に確認したいデメリットを解説します。
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退職金が増額されても、定年までの収入を下回ることがある

早期退職の大きな魅力は、通常より多い退職金を受け取れる点です。今回のように退職金が1.5倍になると聞くと、有利な条件に感じられるでしょう。ただし、早期退職を判断する際は、退職金の増額分だけを見るのではなく、定年まで働いた場合に得られる収入と比べることが大切です。
 
例えば、定年まであと5年あり、現在の年収が600万円の場合、単純計算で5年間の給与は3000万円になります。さらに、賞与や福利厚生、会社が負担している社会保険料なども考えると、実際に失う金銭的なメリットはさらに大きくなる可能性があります。
 
そのため、退職金の上乗せ額が大きく見えても、定年まで働いた場合の総収入に届かないことがあります。また、退職後は毎月の給与がなくなるため、生活費は退職金や貯蓄から取り崩すことになります。
 
退職金はまとまった金額で受け取れますが、住宅ローンや教育費、親の介護費などの支出が続く場合、思ったより早く減ってしまうかもしれません。
 
そのため、早期退職を検討する際は、退職金だけで何年暮らせるかを具体的に計算することが大切です。定年までの収入と退職後の支出を比べることで、退職金の上乗せが本当に十分な条件なのか判断しやすくなります。
 

早期退職後は再就職・失業給付・社会保険の確認が必要

早期退職のデメリットとして、まず考えたいのが再就職の難しさです。
 
退職後すぐに働く予定でも、希望する給与や仕事内容で採用されるとはかぎりません。特に年齢が上がるほど、前職と同じ水準の収入を維持することは難しくなる傾向があります。
 
たとえ再就職できても、年収が下がる場合は、退職金の上乗せ分を生活費で取り崩すことになるかもしれません。そのため、退職前に求人状況を確認し、自分の経験がどの程度評価されるかを把握しておくと安心です。
 
退職後すぐに次の勤務先が決まっていない場合は、失業給付についても確認しておく必要があります。雇用保険の基本手当を受けるには、ハローワークで求職の申し込みを行い、失業認定を受けなければなりません。
 
また、退職理由が自己都合の場合は、7日間の待期期間に加えて2~3ヶ月の給付制限があるため、すぐに給付を受けられないことがあります。
 
さらに、年金と健康保険の手続きも忘れずに確認しておきたい点です。会社員は厚生年金や健康保険に加入していますが、退職後すぐに再就職しない場合は、国民年金への切り替えや健康保険の加入先を選ぶ手続きが必要になります。
 
健康保険は、「任意継続」「国民健康保険」「家族の扶養」などから選ぶのが一般的です。保険料が在職中より高くなることもあるため、退職前に確認しておくとよいでしょう。
 

退職金の税金と生活費を試算してから判断する

退職金は、給与とは別に「退職所得」として税金が計算されます。退職所得とは、退職によって受け取る退職金などを、通常の給与とは分けて計算する所得のことです。勤続年数に応じた控除があるため、給与と比べると税負担が軽くなる場合があります。
 
ただし、退職金が増えると、その分だけ課税対象額が増える可能性もあります。額面では十分な金額に見えても、税金を差し引いたあとの手取り額は想定より少なくなるかもしれません。そのため、会社に退職金の概算額を出してもらい、税金を差し引いたあとの金額を確認しておくことが大切です。
 
また、退職金は老後資金だけでなく、再就職までの生活費などに充てる資金でもあります。さらに住宅ローンや医療費が重なると、退職金の減り方は想像以上に早くなる可能性があります。
 
そのため、退職前には退職金の手取り額や毎月の生活費、再就職までにかかりそうな期間、年金を受け取るまでの年数を整理しましょう。数字で確認しておけば、早期退職後の生活に無理がないかを判断しやすくなります。
 

早期退職は条件の魅力だけでなく退職後の生活設計で判断しよう

早期退職には、退職金が増える、働き方を見直せる、心身の負担を減らせるといったメリットがあります。一方で、定年までの給与を失うこと、再就職で収入が下がること、社会保険の手続きが必要になることは大きなデメリットといえます。
 
そのため、会社に退職金の計算書を出してもらい、上乗せ額、手取り額、退職理由の扱い、再就職支援の有無まで確認してから判断することが重要です。早期退職は、十分に準備すれば前向きな選択になります。退職金の金額だけでなく、退職後にどう働き、どう暮らすかまで考えたうえで判断しましょう。
 

出典

厚生労働省 ハローワーク インターネットサービス よくあるご質問(雇用保険について)
日本年金機構 会社を退職したときの国民年金の手続き
全国健康保険協会(協会けんぽ) 任意継続
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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