病院の窓口負担は「2割」のまま…75歳になったのに、「1割」にならないのはなぜでしょうか? 負担割合の基準を確認

配信日: 2026.05.01
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病院の窓口負担は「2割」のまま…75歳になったのに、「1割」にならないのはなぜでしょうか? 負担割合の基準を確認
後期高齢者になると、病院での自己負担割合は人によって1〜3割になります。自己負担割合が変わる基準を知っておかないと、想定よりも医療費を多く支払うことになるかもしれません。
 
そこで本記事では、後期高齢者医療制度における窓口負担割合の決定ルールに加え、医療費の支払いが家計を圧迫したときに頼れる公的制度についても解説していきます。
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後期高齢者の自己負担割合が変わる基準

75歳以上の窓口負担は所得状況に応じて1~3割と幅があります。たとえ年齢が同じであっても、収入によって支払う金額に差が生じる仕組みです。
 
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンラインに掲載されている情報を基に、各区分の判定条件を整理すると以下のようになります。
 

3割負担となるケース

・同一世帯の被保険者の中に、課税所得145万円以上の方がいる場合に該当
 
ただし、収入額などの一定条件を満たせば、申請により1割または2割に変更できる場合もあります。

 

2割負担となるケース(次の2つを両方満たす場合)

・同じ世帯の被保険者の中に、課税所得28万円以上の方がいる
・同じ世帯の被保険者全員の「年金収入+その他の合計所得金額」が、被保険者が1人なら200万円以上、2人以上なら合計320万円以上ある

 

1割負担となるケース

・上記いずれにも該当しない方が対象

 
例えば独身で年金収入のみの場合、課税所得が28万円未満、または年金額が200万円未満であれば1割負担となるでしょう。夫婦ともに後期高齢者で年金収入だけというケースでも、2人合わせた年金額が320万円に届かなければ1割負担となります。
 
ただし注意したいのは、年金以外にパート収入などがあると、合算次第で2割負担に切り替わる可能性がある点でしょう。
 
例えば、年金の受給額が年180万円で、シルバー人材センターでの就労によって年30万円ほどの所得がある75歳の一人暮らしの方を想定してみます。
 
このケースでは、合算すると年210万円となり、200万円ラインを超えてしまいます。課税所得の条件も満たしている場合には、2割区分の対象になる可能性があります。
 
反対に、年金収入が年220万円あったとしても、課税所得が28万円未満であれば1割負担のままです。窓口負担割合は「課税所得」と「年金収入+その他の合計所得金額」の両方の条件を見て決まる仕組みであるため、片方だけが基準を超えていても、すぐに2割区分に切り替わるというわけではないという点も覚えておきましょう。
 

医療費の負担が増えたときは高額療養費制度の利用も検討しよう

1割負担から2割負担になると、負担する医療費が増えるため支払いが難しくなる場合があります。例えば、入院・手術により全体で100万円の医療費が必要となった場合、1割負担だと10万円ですが、2割負担だと20万円になり、負担額が10万円多くなります。
 
人によっては10万円多くなると支払えないケースもあるでしょう。その場合、高額療養費制度が利用できないか調べてみましょう。
 
高額療養費制度とは、1ヶ月で決められている上限額を超えて負担した医療費分を、支給してもらえる制度です。厚生労働省によると、70歳以上の1ヶ月当たりの負担限度額は表1のようになります。
 
表1

所得の水準 収入目安 1ヶ月あたりの負担限度額
現役並み 年収約1160万円~ 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
年収約770万円~約1160万円 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
年収約370万円~約770万円 8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
一般 年収156万円~約370万円 外来個人ごと1万8000円
(年14万4000円)
5万7600円
住民税非課税など 住民税非課税世帯II 外来個人ごと8000円 2万4600円
住民税非課税世帯I
(年金収入80万円以下など)
1万5000円

出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」を基に筆者作成
 
年金収入が200万円程度の方は、表1のうち「一般」区分に分類されることになります。この区分では世帯ごとに月5万7600円、外来は個人単位で月1万8000円、年14万4000円が上限となっており、これを超えた支払額が払い戻しの対象です。
 
100万円の医療費がかかったケースで、実際にいくら戻ってくるのかを試算してみましょう。
 
一般区分に該当する2割負担の方が20万円を支払った場合、世帯単位の上限額である月5万7600円を差し引いた14万2400円が、高額療養費として後から払い戻される計算です。最終的な自己負担は5万7600円に収まることになり、家計への負担は軽くなります。
 
なお、この制度の払い戻しには、加入している後期高齢者医療広域連合や市区町村への申請手続きが必要になるケースもあります。申請のタイミングや必要書類については、お住まいの自治体の窓口や、後期高齢者医療被保険者証の保険者にあらかじめ問い合わせておくと、いざという時にスムーズに手続きを進められるはずです。
 

収入が一定基準を超えると2割負担になる

後期高齢者の窓口負担割合は本人および同じ世帯の被保険者の収入状況を基に決まります。単身で年金収入だけの方であれば、課税所得が28万円未満、または年金収入が200万円未満であれば2割負担になることはありません。
 
一方、年金以外の収入源がある方や、年金額そのものが大きい方で課税所得が28万円以上、年金収入とその他の合計所得金額が200万円以上になると、2割負担の対象に切り替わります。
 
医療費の自己負担が増えて家計を圧迫するようであれば、先述の高額療養費制度の活用も視野に入れて対応していきましょう。
 

出典

内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)(4ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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