60歳で定年を迎え、退職金は「1800万円」ほどの見込みです。住宅ローンは完済していますが、年金開始までの生活費はどのくらい見ておくべきでしょうか?

配信日: 2026.05.10
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60歳で定年を迎え、退職金は「1800万円」ほどの見込みです。住宅ローンは完済していますが、年金開始までの生活費はどのくらい見ておくべきでしょうか?
退職金1800万円、さらに住宅ローンも完済。一見すると「老後は安泰」と思える条件でしょう。しかし、年金の受給が始まるまでの5年間に必要な生活費を試算すると、その安心は簡単に崩れるかもしれません。もし何の対策もせずに生活を続けた場合、退職金の大半を使い切ってしまう可能性もあります。
 
本記事では、二人以上世帯と仮定した場合の60歳から65歳までの生活費の目安と、資産を守るための具体策を解説します。
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60歳からの5年間に必要な生活費は1800万円を超える? 最新データで見る二人以上世帯の家計実態

60歳で定年退職を迎え、退職金1800万円を手にしたとき、多くの人が「これで一安心」と感じるかもしれません。しかし、日本の年金制度において、老齢年金の受給が始まるのは原則として65歳からです。この「空白の5年間」を無収入で過ごす場合、家計の多くを貯蓄の取り崩しに頼ることになります。
 
総務省統計局が公表した「家計調査(家計収支編)2025年」によれば、世帯主の年齢が60~64歳(平均年齢61.9歳)の二人以上の世帯における1ヶ月あたりの消費支出は平均で34万393円となっています。
 
もし60歳で仕事をリタイアし、月々約34万円で生活を維持しようとすると、年間で約408万円、5年間では実に2040万円もの資金が必要になる計算です。これでは、たとえ退職金として1800万円が支給されたとしても、比較的短期間で取り崩すことになる可能性がある点に留意が必要です。
 

住宅ローン完済後も油断禁物! リフォーム費用などで数百万円かかることも

「住宅ローンを完済しているから、生活費はもっと安く済むはずだ」と考える方もいるかもしれません。確かに住居費の負担は大幅に軽減されますが、持ち家には維持費という別のコストが発生します。
 
一般的に60代以降は、住宅の老朽化に伴い、屋根や外壁、水回りといった設備の修繕やリフォームが必要となる時期でもあります。1回のリフォームでも200万円から300万円程度の支出が見込まれる場合があり、大規模な修繕では1000万円前後になることもあるでしょう。
 
つまり、1800万円という退職金は決して「余裕がある」と言い切れる金額ではないのです。
 

退職金1800万円を「65歳までに使い切らない」ための生活費コントロール術

年金開始までの5年間で退職金を大きく減らさないためには、支出の最適化と並行して「働くこと」による収入の確保が現実的な選択肢となります。
 
もし、夫婦でパートやアルバイト、あるいは再雇用によって月々18万円程度の収入を得ることができれば、前述の毎月の不足額を16万円ほどに抑えることが可能です。この場合、5年間の取り崩し額は約960万円となり、65歳時点で800万円以上の退職金を残すことができる計算です。
 
この「残った資金」は、リフォーム代や将来の医療費、介護費用などに充てられるでしょう。退職金を「今、生活するために使うお金」と「将来の万が一に備えるお金」に色分けし、資産をできるだけ長期にわたって維持していくという視点を持つことが重要です。
 

老後の安心のためには、年金受給開始までの5年間を戦略的に暮らすことが鍵

住宅ローンを完済し、1800万円の退職金を確保できている状況は、老後設計において比較的有利なスタート地点に立っているといえます。しかし、最新の統計データが示す通り、現代の生活コストは上昇傾向にあり、何もしなければ年金開始までの5年間で資産の大部分を消費してしまうリスクがあります。
 
年金の受給が始まるまで、完全にリタイアするのではなく、無理のない範囲で就労を継続するなど、この5年間の過ごし方をあらためて戦略的に検討することが大切です。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2025年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号 3-2 世帯主の年齢階級別
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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