定年前の給料は「月35万円」、再雇用後は「月20万円」の予定です。このまま働くのと、退職して失業保険を受けるのとでは、受け取れる金額にどれくらい差があるのでしょうか?
今回は、失業保険で受け取れる金額の計算方法や、再雇用で働く場合の収入の差などについてご紹介します。
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失業保険で受け取れる金額の計算方法
失業保険で受け取れる給付は「基本手当」と呼ばれています。基本手当の1日当たりの金額(基本手当日額)は、離職した日の直前6ヶ月に毎月決まって支払われた賃金合計額(賞与は除く)を180で割った金額の約50~80%(60~64歳は45~80%)とされています。ただし、上限額が決まっており、令和7年8月1日時点で以下の通りとなっています。
・30歳未満:7255円
・30~45歳未満:8055円
・45~60歳未満:8870円
・60~65歳未満:7623円
また、受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間の範囲で、所定給付日数は雇用保険の被保険者であった期間や離職の理由などによって、90日~360日の間でそれぞれ決められます。さらに、雇用保険の基本手当の条件として、就職する能力があることと、就職しようとする積極的な意思があることが求められます。
つまり、定年後に一旦職を離れ、再就職をするつもりのない人は、基本手当を受け取れる可能性が低いです。失業保険の受給を選択肢に入れる場合は、自分が今後働くつもりなのかをよく考えてから決めましょう。
再雇用で働くのとどちらが多く受け取れる?
今回は、次のような条件で基本手当を1年間受け取る場合と、再雇用で1年間働いた場合に受け取れる金額を比較します。
・基本手当を受け取る場合、離職した日の直前6ヶ月の決まって支給される賃金が月35万円
・給付日数は150日
・基本手当日額の計算式の割合は50%
・被保険者期間は25年
・再雇用の場合、再雇用後の収入は月20万円
・賞与は考慮しない
まず、離職した日の直近6ヶ月が月35万円だった場合、合計して180で割ると「35万円×6ヶ月÷180」で約1万1667円です。計算式の割合を50%とすると、基本手当日額は約5834円になります。5834円を150日分受け取ると、基本手当は合計87万5100円です。
一方、賞与を考慮せずに再雇用で月20万円の給与額の場合は、12ヶ月で240万円受け取れることになります。
今回の条件では、一度基本手当を受け取るよりも、そのまま再雇用で働いた方が152万4900円多く受け取れることが分かりました。
再雇用にするか否かを判断するポイント
再雇用で働くかどうかを悩む場合は、老後の資金がどれくらい不足しているかを確認することが大切でしょう。老後の資金に不安があり、できるだけ長期的に収入を得たい場合、再雇用の方が向いている可能性があります。
一方、定年後も働きたいものの再雇用後の収入が安定しない、あるいは一度離れて別の職を探したい場合は、基本手当の受給も検討するとよいでしょう。ただし、前述した通り、離職後に働くつもりがない場合は条件を満たさないため、基本手当は受け取れません。
定年後も働く場合、老後のためにさらに収入を増やす手段として年金の受給タイミングをずらす方法もあります。基本手当や再雇用で収入を得ている間、年金の繰下げ受給を選択すると、遅らせた月数に応じて受け取れる金額を増やせる仕組みです。
自分の老後の生活を考慮したうえで、判断するとよいでしょう。
再雇用の方が安定してより多くの収入を受け取れる可能性がある
失業保険による基本手当は、就職する意思はあるもののなかなか新たな職を見つけられない人が、条件に合致している場合に受け取れる給付金です。原則として1年間の範囲で、所定給付日数に応じて受給できます。そのため、長期的に安定した収入が欲しい場合は、一度離職して基本手当を受け取るよりも、再雇用で働き続けた方がよいでしょう。
また、今回のように定年前の金額より再雇用後の月収が少ない場合であっても、基本手当を受け取るよりは再雇用の方が多くの収入を受け取れることもあります。
再雇用にするか、一度離職して基本手当を受け取りながら再就職先を探すのかは、自分の老後の資金やライフプランなどをよく考えて決めましょう。
出典
ハローワークインターネットサービス 基本手当について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
