55歳で「退職金2000万円」もらい“早期退職”した夫…悠々自適のはずが、3年後には「近所のコンビニでアルバイト」することに!?「前の職場に戻りたい」甘い見通しが招いた“シビアな現実”とは

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55歳で「退職金2000万円」もらい“早期退職”した夫…悠々自適のはずが、3年後には「近所のコンビニでアルバイト」することに!?「前の職場に戻りたい」甘い見通しが招いた“シビアな現実”とは
55歳での早期退職(FIRE)、そして「2000万円」の退職金。毎日の満員電車から解放され、これからは悠々自適のセカンドライフが始まるはず……そんな甘い見通しを立てて会社を辞めた人が、わずか3年後、近所のコンビニで必死にレジ打ちのアルバイトをしている姿を想像できるでしょうか。
 
退職金2000万円という大金に安心し、現役時代の感覚で生活水準を維持していると、想定外の出費が重なってあっという間に生活が立ち行かなくなりかねません。本記事では、早期退職者を襲う「1年目の税金のわな」や貯金がショートするまでの流れをFPの視点から解説します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

退職直後に届く「高額な請求書」! 前年所得ベースの重すぎる税金

早期退職した人が最初に直面するのが、退職翌年に届く驚くほど高額な税金の請求書です。
 
会社を辞めて無収入になったとしても、住民税は「前年の所得」をベースに計算されます。現役時代に相応の年収があった場合、退職後の最初の1年間だけで数十万円規模の住民税が請求されるのです。
 
さらに、健康保険も会社の「任意継続」を選択するか、自治体の「国民健康保険」に切り替える必要がありますが、どちらにせよ現役時代の収入に応じた高い保険料が数万から数十万円単位で発生します。
 
これらに加えて、2026年度からは月1万7920円に引き上げられた国民年金保険料も、60歳になるまでの5年間、夫婦2人分であれば毎月約3万6000円を支払い続けなければなりません。「無収入なのに、1年目だけで100万円以上が口座から消えていく」という現実に直面し、退職早々パニックになるケースは非常に多いのです。
 

大金を手にした油断……生活水準の上昇とインフレのダブルパンチ

最初の税金ラッシュを乗り越えたとしても、次に夫婦を追い詰めるのが「生活水準の上昇」というわなです。
 
退職金2000万円という大金が口座にあると、つい「これまで頑張ったご褒美に」と旅行に出掛けたり、平日の外食が増えたり、リフォームをしてしまったりと、支出が膨らみやすくなります。
 
現役時代は給与収入でカバーできていた「月35万円」程度の生活費を、退職後もそのまま、あるいはそれ以上に使い続けると、年間で420万円以上の貯金が目減りしていくことになります。
 
さらに、昨今の「物価高」が家計に追い打ちをかけます。あらゆるものの値段が上がっている現状では、昔と同じように生活しているつもりでも、お金が出ていくスピードは確実に速くなっています。
 
「月35万円の生活費+毎年の旅行代+税金・保険料」で年500万円近くを使い続ければ、2000万円の退職金など、わずか3~4年で底をついてしまうのです。
 

10年保たずに「再就職」へ……なぜこうなってしまうのか

退職金が急激に減っていく様子を目の当たりにすると、「このままだと、年金がもらえる65歳になる前に破産する」という恐怖に襲われます。これが早期退職からわずか3年で、近所のコンビニなどで働き始めなければならなくなる理由です。
 
55歳という年齢は、まだまだ肉体的に動ける時期です。しかし、一度会社を辞めてしまった人が、現役時代と同じような条件のホワイト企業に再就職するのは至難の業でしょう。結果的に、すぐに雇ってもらえる未経験のアルバイト仕事を選ばざるを得なくなります。
 
「定年まであと10年あるから逃げ切れるだろう。ダメでもちょっとバイトすればいいや」という甘い見通しは、昨今の物価高や税金の重さを前に崩れ去ります。また、現役時代の部下や近所の人にアルバイト姿を見られることに、精神的なストレスを感じる人もいます。
 

まとめ

55歳で退職金2000万円をもらっての早期退職は、一見華やかに見えますが、無収入期の税金負担、生活水準の上昇、そして物価高という3つの重荷によって、わずか3年で貯金がショートする危険性があります。
 
早期退職を失敗に終わらせないためには、「最初から生活水準を年金生活レベルまで一気に落とせるか」が問われます。まとまった退職金を手にしても気を引き締め、少なくとも最初の数年間にかかる税金や今後の物価上昇を厳しく試算した上で、本当に仕事を辞めるべきかを夫婦で冷静に話し合うと良いでしょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金の保険料
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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