65歳の夫婦は「毎月4万円」赤字!? 平均収入は「25万4000円」なのに、なぜ“余裕がない”のか…高齢者の「生活費の実態」とは? 総務省のデータをもとに解説
年金が増えても家計が苦しいのはなぜでしょうか。本記事では、高齢者の生活費事情や、利用できる給付金・支援制度について解説します。
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年金額は増えるが、手取りは目減りする
2026年度(令和8年度)の公的年金は、物価上昇を反映して増額改定されます。総務省が公表した2025年平均の消費者物価指数では、生鮮食品を含む総合指数が上昇しており、これを踏まえて年金額も引き上げられます。
しかし、年金受給者からは「生活が楽になる実感がない」という声も少なくありません。背景にあるのが、物価上昇率と賃金上昇率の差です。今回、物価変動率は3.2%だった一方で、名目手取り賃金変動率は2.1%に留まりました。
日本の公的年金制度では、現役世代の負担能力を考慮する仕組みが採用されており、賃金の伸びが物価上昇を下回る場合、高齢者向け年金の増額も抑制されます。
そのため、年金額が増えても、食品や光熱費など日常生活にかかる支出の上昇には追いつかず、実質的な家計負担は重くなりやすい状況です。特に物価高が続くなか、「年金アップ=生活改善」と言い切るのは難しいでしょう。
高齢者の生活費の実態とは?
物価高が続くなか、「年金だけで生活できるのか」と不安を抱える高齢者は少なくないでしょう。
総務省「家計調査報告 2025年平均」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月の実収入が25万4395円である一方、消費支出と税・社会保険料などの非消費支出を合わせると29万6829円に達しています。差し引きすると、毎月4万2434円の赤字となり、貯蓄を取り崩しながら生活している実態が浮かび上がります。
2026年度の年金改定では支給額が増額されていますが、増加幅は月数千円程度です。そのため、家計全体で見ると赤字解消には遠く、食費や光熱費、医療費の上昇分を補うには十分とは言えません。
特に現役時代より収入を増やしにくい高齢者にとって、支出増の影響を家計が受けやすい状況です。老後資金不足への不安から、節約や貯蓄の取り崩しに頼る家庭も多いのではないでしょうか。
高齢者が生活に困った際に申請できる主な給付金や支援制度
年金だけでは生活費が不足する高齢者向けに、国や自治体ではさまざまな支援制度を用意しています。
代表的なのが「年金生活者支援給付金」で、一定の所得基準を下回る年金受給者に対し、年金に上乗せして給付金が支給される制度です。また、生活に困窮した場合には「生活困窮者自立支援制度」を利用することができ、相談支援や住居確保支援などを受けられるケースがあります。
さらに、自治体によっては、独自の家賃補助や公共料金支援を実施している地域もあります。支援内容は居住地によって異なりますが、物価上昇が続くなか、利用できる制度を早めに確認することが、老後生活を守る重要なポイントになりそうです。
まとめ
年金額は増額される一方で、物価高や社会保険料負担の影響により、家計改善を実感しにくい状況が続いています。だからこそ、公的支援制度や自治体の補助策を早めに確認することが、安心への近道です。まずは「自分が受けられる支援」を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします
総務省 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
