更新日: 2020.03.10 定年・退職
退職後のネクストステージはどうする? 国も後押しする中高年の学び直し
今どき、これは稀なケースです。現在は、“セカンドステージも働く”という選択肢を選ぶ人が増えています。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
国も「学び直し」を後押し
坂井秀至八段(46歳)が9月1日付ですべての棋戦を休場することになったそうです。理由は、彼はプロ入り前に医師の国家試験に合格していて、今後は医師に転身するそうです。20年、30年単位で人生を考え判断した結果とのこと。現代は、50歳前に転職や独立を考える例は多いです。
最近注目されているのは「学び直し」です。国も雇用保険の加入者に、資格取得の費用の一部を補助する制度を拡充しています。より専門的な知識を身につけてスキルアップしてほしい、離職しても円滑に再就職してほしい、長く働いてほしい、等々が制度拡充の背景にあります。
これまでの「一般教育訓練給付金制度(費用の20%(上限年10万円)を支給)」に加え、10月からは「特定一般教育訓練給付金制度(費用の40%(上限年20万円)を支給)」が始まります。これは税理士や社労士、宅地建物取引士、介護福祉士、自動車免許、プログラミングなど多岐にわたります。詳細は指定講座一覧(※1)をご参照ください。
また、訓練期間の長い「専門実践教育訓練給付金制度(費用の50%(上限は4年160万円)・資格を取り1年以内の就職などで費用の70%(上限は4年224万円))」もあります。こちらの対象講座は下記(※2)でご参照ください。
シニア向けのリカレント教育に期待
人生100年時代を迎えました。大学を卒業以来、ずっと同じ会社で働いて60歳や65歳の退職期を迎えた方々も、「次はどうするの?」と逡巡する姿を見かけます。今一度、自分のやりたいことは何? と原点に戻り、ライフプランを考えることが必要になってきています。
日経新聞に「中高年磨く専門校 キャリア再設計、10月開講」という記事が掲載されました(2019年7月14日)。取り上げられていたライフシフト大学は、人生100年・仕事人生80年を見据えています。このような「学び直し」の場は増えていくと考えられます。国際的にみると、大学などの教育機関で学ぶ人の割合(25~64歳)は、経済協力開発機構 (OECD)の平均が10.9%に対し、日本は2.4%です(内閣府資料による、※3)。
少子化が進む中、大学などには、リカレント教育(社会人の学び直し)を期待したいところです。少しずつ開設は進んでいますが、大きなマーケットになる可能性が高いことに、間違いありません。
<参照>
(※3)内閣府「第2-2-12図 学び直しの国際比較」
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士