2018.06.06 年金

愛する旦那が亡くなった後の「遺族年金」子供を想うのなら理解しておきたいこと

Text : 井内 義典

サラリーマンの夫が亡くなった時、受給の要件を満たせば妻は公的年金制度の遺族年金を受け取ることができますが、どのような形で遺族年金を受け取るのでしょうか。

遺族基礎年金は子どもが高校を卒業するまで

夫が亡くなって、妻と高校卒業まで(一定の障害のある場合は20歳未満)の子どもがいて受給要件を満たせば、妻はまず遺族基礎年金を受けることができます。
 
また、夫がサラリーマンで厚生年金被保険者期間があり、そのほかの受給要件を満たせば、妻は併せて遺族厚生年金も受けることができます。遺族基礎年金と遺族厚生年金の、2階建て制度による年金を受け取ることになるでしょう。
 
平成30年度の場合、遺族基礎年金の本体の額は77万9300円で、子どもの数に応じて加算がされます。2人目までの子については1人当たり22万4300円が加算され、3人目以降の子については1人当たり7万4800円が加算されます。
 
つまり、子どもが1人であれば合計100万3600円となり、2人であれば合計122万7900円、3人であれば合計130万2700円となります。高校卒業までの子の数に応じて、妻が受ける額が決まることになります。
 
一方、遺族厚生年金は夫の厚生年金加入月数(300月ない場合は300月とされる場合があります)、給与や賞与に応じて計算され、夫の老齢厚生年金(報酬比例部分)として計算された金額の4分の3とされています。
 
この2つの遺族年金のうち、遺族基礎年金については子どもが1人高校を卒業するごとに、その分の子の加算額が減額され、全員高校を卒業すると遺族基礎年金そのものが支給されなくなります。
 

遺族基礎年金がなくなっても中高齢者に寡婦加算がある

すべての子どもが高校を卒業して遺族基礎年金を受けられなくなっても、遺族厚生年金は引き続き受けることができ、その時点で妻が40歳以上65歳未満であれば、寡婦加算が加算されます(加算されるためには、亡くなった夫に20年以上の厚生年金加入期間が必要な場合もあります)。
 
この中高齢寡婦加算は、遺族基礎年金よりは金額は少なくなりますが、遺族基礎年金の本体額77万9300円の4分の3である58万4500円(平成30年度)となります。
 
遺族基礎年金がなくなっての急激な年金の減少を防ぐための加算として、65歳まで加算され続けることになります(図表1)。
 


 

65歳になると老齢年金と遺族年金を併せて受け取る

妻が65歳になると中高齢寡婦加算はなくなりますが、65歳以降は老齢基礎年金が受けられるようになり、遺族厚生年金と併せて受け取ることができます。
 
もし、妻自身に厚生年金加入期間がある場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金をまず受給し、遺族厚生年金は老齢厚生年金相当額を差し引いた額の差額分で受け取ることになります(図表2)。
 


 
遺族年金を受け始めたサラリーマンの妻は、以上のような流れで年金を受けることになるでしょう。なお、妻が再婚した場合は、いずれの時期でも遺族年金を受ける権利はなくなります。
 
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

井内 義典

Text:井内 義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。資格学校勤務時代の教材編集・校正業務、個人開業の社会保険労務士・FPとしての年金研修等の講師、公的年金に関する相談業務の経験を元に、年金に関する執筆活動を行っている。日本年金学会会員、日本FP学会個人賛助会員。

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