2018.06.14 年金

【よくある相談事例】 年金はもらえなくなるのですか?

Text : 塚越 菜々子

子育て世帯などを中心にお金の相談を受けていると、比較的多いのは住宅取得関係と教育費に関する相談です。
 
そしてそれに付随して保険の相談があります。30〜40代で「老後について相談したい」という人はそれほど多くありません。
 
だからこそ「老後」が相談のテーマである場合は、強い不安を抱えていることが多いです。
 
今回は、そんな強い不安を抱えている人によく聞かれる「年金はもらえなくなるのか」という質問にお答えしようと思います。
 

厚生労働省の言い分

当然のことながら、厚生労働省は「長期的に収支のバランスがとれるよう厳しく検証しているため破綻しない」と言っています。
 
平成26年に行った財政検証でも、2060年の人口構造や労働力などをいくつものパターンで想定して検証しています。
 
また、私たちが払った年金の積立金を預かり運用している、年金積立金管理運用独立行政法人(GIPF)も「リーマンショックの時期を含めても累積収益額はプラスになっている」と言っています。
 
年金制度や見通しについてはこのような話はよく聞くものの、ハッキリと聞いたことはないかもしれません。一度、何を根拠にどんなことを言っているのか公的な主張を見てみるのもいいと思います。
 
『一緒に検証!公的年金 ~財政検証結果から読み解く年金の将来~』という厚生労働省が運営しているサイトの、マンガで読むことができます。
http://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/index.html
 

破綻派の意見

しっかりとした根拠を知る前に「破綻する」「もらえない」など聞いているため、なんとなく破綻するだろうと思っている人も多い印象です。
 
そして実際のところ、根拠をもって「破綻する」と断言している人はほとんどいません。
 
『今のままの状態では』維持できなくなる、とか、『今までのようなもらい方は』できない』、という条件が付いて破綻するという主張がほとんどです。
 
確かに、急激な少子高齢化などで「世代間で支えあう」という仕組み自体に無理が生じていたり、マイナス金利などの影響で預けているお金の運用の仕方が以前とは変わっていたりするので、「楽観的ではいられない」という主張も正しいもののように思えます。
 
破綻するという意見を聞いたときは、むやみに不安にならないためにも、主張している相手が「どの状態を破綻と定義しているのか」をしっかりと踏まえておきたいですね。
 

結局は自分で折り合いをつけていくしかない

年金は大丈夫だ。年金は破綻する。どちらの意見もたくさん飛び交っています。どちらもそれなりに合理的な意見のように思われます。
 
ですが、この先どうなるかは誰にもわかりません。結局のところ多くの人は年金不安を感じつつも「まったくなくなるわけではないだろうから、自助努力もしていく必要がある」というところに落ち着くことが多いようです。
 
大丈夫だと信じて安心できるのならそれでもいいでしょう。破綻すると踏んで、代替え手段を講じるのもいいでしょう。何をどれくらい信じていくのかは本人の自由です。
 
「年金はもらえなくなりますか」という質問に対しては「わかりません」と答えるほかありません。だからこそ大事なのは、答えは人に与えられるのではなく自分で見つけていく必要があるということです。
 
うわさ話や極端な主張を鵜吞みにするのではなく、根拠の示された主張をいろいろと聞いて調べて「今できるベストはつくしている」と思えることが一番安心につながるのではないでしょうか。
 
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催

塚越 菜々子

Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催

お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
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