最終更新日:2019.08.20 公開日:2018.08.30
年金

雇用保険の基本手当(失業手当)と老齢厚生年金を一度に両方もらう裏技とは?

男性は昭和36年4月1日以前に生まれた方、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方であれば、65歳まで「特別支給の老齢厚生年金」をもらえる権利が発生します。
 
また、60歳で定年して再雇用となり、その後、65歳の誕生日の前々日(注)までに退職すると「雇用保険の基本手当(旧称:失業手当)」がもらえます。
 
ただし、「雇用保険の基本手当」をもらってしまうと、「特別支給の老齢厚生年金」は支給停止となりますので注意が必要です。
 
(注)「年齢計算に関する法律」というものがあって、誕生日の前日に歳をとることになっています。そのため、法律的には65歳の誕生日の前々日までが64歳なのです。
 
北山茂治

執筆者:

執筆者:北山茂治(きたやま しげはる)

高度年金・将来設計コンサルタント

1級ファイナンシャルプランニング技能士、特定社会保険労務士、健康マスターエキスパート
大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、全国各地を転々としてきました。2000年に1級ファイナンシャルプランニング技能士資格取得後は、FP知識を活用した営業手法を教育指導してきました。そして勤続40年を区切りに、「北山FP社会保険労務士事務所」を開業しました。

人生100年時代に、「気力・体力・財力3拍子揃った、元気シニアをたくさん輩出する」
そのお手伝いをすることが私のライフワークです。
ライフプランセミナーをはじめ年金・医療・介護そして相続に関するセミナー講師をしてきました。
そして元気シニア輩出のためにはその基盤となる企業が元気であることが何より大切だと考え、従業員がはつらつと働ける会社を作っていくために、労働関係の相談、就業規則や賃金退職金制度の構築、助成金の申請など、企業がますます繁栄するお手伝いをさせていただいています。

HP: https://www.kitayamafpsr.com

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北山茂治

執筆者:

執筆者:北山茂治(きたやま しげはる)

高度年金・将来設計コンサルタント

1級ファイナンシャルプランニング技能士、特定社会保険労務士、健康マスターエキスパート
大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、全国各地を転々としてきました。2000年に1級ファイナンシャルプランニング技能士資格取得後は、FP知識を活用した営業手法を教育指導してきました。そして勤続40年を区切りに、「北山FP社会保険労務士事務所」を開業しました。

人生100年時代に、「気力・体力・財力3拍子揃った、元気シニアをたくさん輩出する」
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そして元気シニア輩出のためにはその基盤となる企業が元気であることが何より大切だと考え、従業員がはつらつと働ける会社を作っていくために、労働関係の相談、就業規則や賃金退職金制度の構築、助成金の申請など、企業がますます繁栄するお手伝いをさせていただいています。

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65歳の誕生日の前々日までに退職すると「雇用保険の基本手当」が支給される

先述のとおり、65歳の誕生日の前々日までに退職すると「雇用保険の基本手当(旧称:失業手当)」がもらえます。
 
どのくらいもらえるかというと、被保険者であった期間が10年未満の場合は基本手当の90日分。10年以上20年未満は120日分、20年以上は150日分です。これは一時金でもらえるのではなく、4週間に1度ハローワークに行って認定を受ける必要があります。
 
なお、この日数は一般の離職者の場合です。障害者などの就職が困難な方や、倒産・解雇などで離職した方は受け取れる日数が多くなります。
 
基本手当の額は、退職前の6カ月間の賃金で決まります。この6カ月の賃金を180で割って出た額に、一定の率をかけて算出されます。この率は60歳以上65歳未満の場合は45%~80%の間で決まります。上限額や下限額もありますので注意してください。
 

65歳の誕生日の前日以降に退職すると「高年齢求職者給付金」が支給される

65歳の誕生日の前日以降に退職すると、「雇用保険の基本手当(旧称:失業手当)」に代わり、「高年齢求職者給付金」という一時金がもらえます。雇用保険の被保険者であった期間が1年未満の場合は30日分、1年以上の場合は50日分です。
 
例えば、20年以上会社に勤めた方が65歳の誕生日の前々日までに退職すると、最長150日分の基本手当がもらえます。しかし、65歳の誕生日の前日以降に退職すると、基本手当の50日分を「高年齢求職者給付金」として貰うだけになります。つまりは、100日分損をすることになるのです。
 
ただ、「高年齢求職者給付金」に関しては給付金をもらっていても「特別支給の老齢厚生年金」は支給停止になりません。両方もらうことができる点は大きなメリットです。
 

「雇用保険の基本手当」と「特別支給の老齢厚生年金」の両方を受け取る方法

では、勤続年数が20年以上ある方が「雇用保険の基本手当(旧称:失業手当)」150日分と、「特別支給の老齢厚生年金」を一緒にもらう方法はないのでしょうか。じつは、あります。
 
65歳の誕生日の前々日(以前)に退職すると、まず雇用保険の基本手当(旧称:失業手当)150日分の権利が発生します、それを実際にもらうのが65歳以降となると、なんと「特別支給の老齢厚生年金」も一緒にもらうことができるのです。
 
ただし、就業規則で「65歳の誕生日が退職日」となっている場合などは、退職時期を早めることで、離職理由が「自己都合」になることがあります。そうすると、3カ月の支給制限を受けることになってしまいます。また、勤めている会社で退職金が出る場合は、その金額が変わることもあるので注意しましょう。
 

会社により雇用満了(退職日)の考え方が違うため、就業規則を確認しよう

今回挙げた雇用保険関係の給付金は税金がかかりません。これも魅力の1つですね。
しかし、「特別支給の老齢厚生年金」には税金がかかりますので注意してください。
 
会社により雇用満了(退職日)の考え方が違います(自分の会社の就業規則をよく見てください)。65歳の誕生日が雇用満了日という会社もあれば、65歳の誕生日の月末が雇用満了日という会社もあります。さらに、65歳の誕生日の次の3月31日が雇用満了という会社もあります。
 
65歳の誕生日の次の3月31日が雇用満了という会社で、誕生日が4月某日の方だと、誕生日の前々日までに早期退職するのは、せっかくそれから1年近く勤めることができるのにもったいないですね。
 
退職日をいつにするかは、いろいろな条件(雇用保険、公的年金、その会社の就業規則、転職先、開業起業など)をよく考慮のうえ判断してください。また、実際にこの裏技を使う場合は、ハローワークと年金事務所で事前によく確認してください。
 

Text:北山茂治(きたやま しげはる)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、特定社会保険労務士、健康マスターエキスパート、高度年金・将来設計コンサルタント

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