2018.11.14 年金

呪文じゃないのよ、iDeCo(イデコ)は! これだけは知っておきたいiDeCoの基礎知識

iDeCo(イデコ)をご存知ですか? 
 
「聞いたことはあるけど?」や「全く知らない」という方もいらっしゃるかと思います。ここでは、そんな方のために、iDeCoの基本を解説します。
 

個人型確定拠出年金の「確定拠出」部分

「イデコ」は「iDeCo」と書きます。iPhoneのiを小文字にしている点をまねたと思われます。アルファベットの小文字と大文字を組み合わせて、お洒落な感じですね。
 
iDeCo(イデコ)は愛称で、正式名称は「個人型確定拠出年金」といいます。
 
筆者が友人に「個人型確定拠出年金」を知っているか尋ねたところ、冒頭の「呪文?」というお返事が返ってきました。まさに、意味不明な9文字が連なり、呪文みたいですね。
 
では、呪文の謎を解いていきましょう。まず「かくていきょしゅつねんきん」と読みます。呪文のような9文字を3つに分けて確認していきます。
 
最初は「個人型確定拠出年金」の「確定拠出」の部分です。何が「確定」しているかというと、「拠出(きょしゅつ)額」が確定しているのです。
 
自分のお財布から出す額、いわゆる掛け金が確定しています。将来の受け取り額は運用成績によって変わりますので、こちらは確定していません。
 
具体的には、毎月5,000円以上の掛け金を60歳まで積み立てながら運用し、自分の年金を作っていくというシステムです。年払いの方法もあります。
 
後に説明する税制の優遇がありますので、掛け金はいくらでもOKというわけではなく、上限が決められています。
 
その上限はご職業などによって異なります。会社に企業年金がない会社員は23,000円/月、公務員等は12,000円/月、自営業者は68,000円/月、専業主婦は23,000円/月など。5,000円/月以上1,000円単位の掛け金を自分で決めることができます。
 
掛け金の額は年に一度の変更が可能です。
 

個人型確定拠出年金の「年金」部分

次に「個人型確定拠出年金」の「年金」の部分を確認しましょう。「年金」というだけあって、原則60歳にならないと資産を引き出すことはできません(注1)。これが大きな特徴です。
 
年金ということで、老後資金の準備ですから、60歳まで強制的に資金を拘束してくれるともいえますね。どんなことでも一長一短だと思いますが、60歳まで資金を拘束することをどちらととるかです。
 
そして、60歳以降(注2)に自分で作った年金資産の受け取り方は3通りあります。
(1)年金形式で定期的に受け取る
(2)一括で受け取る
(3)(1)と(2)を組み合わせて受け取る
 
注1:万が一60歳より前に高度障害になってしまった場合は引き出し可。万が一60歳より前に死亡してしまった場合は遺族が資産残高を受給。
 
注2:通算加入期間が10年に満たないときは、61歳以降の受給となる。
 

個人型確定拠出年金の「個人型」

最後に「個人型確定拠出年金」の「個人型」の確認です。個人型という名前のとおり、自分で決めて行動しないとiDeCo(イデコ)は始まりません。最初に決めることは大きくわけると3つ。
 
(1)毎月の掛金の額
(2)窓口となる金融機関をどこにするか
(3)どのような運用商品にするか
 
最初に決めるといっても、あとから変更できることばかりですのでご安心ください。
 
ただし(2)の金融機関については、店頭での対応を希望するのか、WEBが希望なのかは大きく異なる点です。それによってランニングコストも違います。
 
そして(1)(3)と比べて(2)金融機関を変更するのは、様々な手続きが必要になりますのでご注意ください。
 

3つの税制優遇

ここまで「個人型確定拠出年金」という言葉から確認しました。呪文のような9文字のiDeCo(イデコ)ですが、本当に呪文のような特徴を持っています。それが次にあげる3つの税制優遇です。
 
老後の資産形成を始めるのに「個人型確定拠出年金=iDeCo(イデコ)」と唱えると(=利用すると)税金の優遇があるのです。しかも3つもあります。
 
1つ目は、「掛け金が全額、所得控除(しょとくこうじょ)」になります。すなわち、「老後資金のためにあなたの収入の一部分をiDeCoに拠出するなら、その部分には所得税と住民税をかけません」ということです。
 
2つ目は、「運用益が非課税」になります。現在、金融商品の運用益には20.315%の税金がかかります。iDeCoでの運用なら、利益の部分に税金がかからず手取りが増えることになります。
 
3つ目は、「受け取るときも、大きな控除が使える」です。
 
年金として受け取るときには公的年金等控除、一時金として受け取るときには退職所得控除。
 
控除(こうじょ)ですから「老後資産として準備してきたiDeCoの受け取り額は、税金がかからない収入としましょう」ということです。
 
この部分は、ご勤務先の退職金や、iDeCo以外の公的年金受給額との関係も考えましょう。
 
呪文のような「個人型確定拠出年金=iDeCo(イデコ)」ですが、使い方によってはあなたの老後資金に本当に魔法をかけてくれるかもしれません。
 
でも、やっぱりよくわからないという方は、お近くのファイナンシャルプランナーなど専門家にご相談くださいませ。
 
※参考:iDeCo(イデコ)公式サイト
 
Text:安本貴子(やすもとたかこ)
やすもとファイナンシャルプランニング事務所代表/株式会社YFP代表取締役
1級FP技能士、CFP(R)、宅地建物取引士、証券外務員2種。
 

安本貴子

Text:安本貴子(やすもとたかこ)

やすもとファイナンシャルプランニング事務所代表/株式会社YFP代表取締役
1級FP技能士、CFP(R)、宅地建物取引士、証券外務員2種。

主婦となり家計を任されたとき、自分自身の「お金」にまつわる知識のなさに愕然とする。生命保険のこと教育費のこと、いつかは来る老後のこと。わかりにくい年金のこと……何から手を付ければよいのか、いったい誰に相談すればよいのか……そんなときに出合ったFPという資格。将来の人生設計に必要な「お金」のこと。FP資格を取得後、独立系FP事務所に約8年勤務。「本当にお客様のお役に立つ提案をしたい」という信念より「やすもとファイナンシャルプランニング事務所」を開業。現在は個別相談を中心に、経験に基づいた家計の相談と、無駄を省いたわかりやすい保険の解説が好評。そのほか、大学のFP講座講師や、セミナー講師としても活動中。大学生と高校生の母。
http://yasumotofp.com

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