更新日: 2019.01.10 その他年金

60歳退職目前!収入がない場合、年金は繰り上げて受給が出来ます!ただし、知っとくべきデメリットは!

執筆者 : 大堀貴子

60歳退職目前!収入がない場合、年金は繰り上げて受給が出来ます!ただし、知っとくべきデメリットは!
年金の受給資格が65歳に引き上げられました。
 
65歳まで働く方は多いですが、体調などの問題で、60歳で退職せざるを得ない。または、給与が60歳以降減るといった事情があり、60歳以降の収入がない中でどうやって生活すればいいかと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
 
そんな中で年金の繰り上げ受給を検討した場合、どんなデメリットがあるのかご紹介します。
 

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大堀貴子

Text:大堀貴子(おおほり たかこ)

CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員

2008年南山大学法学部法律学科卒業後、大手証券会社で、営業として勤務。主人のタイ赴任がきまり、退社。3年間の在タイ中、2人をタイで出産、子育てする。本帰国後、日本で3人目を出産。現在、3人の子育てと長女の国立小学校受験に奮闘中。子供への早期教育の多額の出費、住宅ローン、子供の学資資金、また老後資金準備のため、いろいろな制度を使って、資産運用をしています。実際の経験を踏まえた、お金に関する、役立つ情報を発信していきたいと思います。

60歳から年金は受け取れますか?

国民年金と厚生年金ともに、年金を受け取れるのは65歳以降になります。しかし、以下1〜3の条件に当てはまる場合、65歳未満でも年金を受け取ることができる方がいます。
 
1.厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あり、以下の生年月日に属する方は厚生年金の報酬比例部分のみを受け取ることができます。(もうすぐ60歳になられる方で考えています。)
 
■男性で65歳未満で厚生年金の報酬比例部分を受け取れる方
・昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日に生まれた方
64歳〜65歳まで1年厚生年金の報酬比例部分を受け取れる。
 
■女性で65歳未満で厚生年金の報酬比例部分を受け取れる方
 

 
厚生年金の報酬比例部分とは、年金加入期間中の平均標準報酬月額や加入期間の年金支払い実績によって上乗せされる厚生老齢年金です。
 
(計算例)
昭和34年4月2日〜昭和35年4月1日生まれ男性の方で加入期間中の月給平均36万円で厚生年金加入期間38年の場合で計算してみます。
 
36万円×7.125/1000(昭和21年4月2日以降生まれの乗率)×加入月数264ヶ月(平成15年3月以前の加入月数)=67万7160円
 
36万円×5.481/1000(昭和21年4月2日以降生まれの乗率)×加入月数192ヶ月(平成15年4月以後の加入月数)=37万8846円
 
合わせて年間105万6006円(月8万8000円)受け取れます。
 
(参考)報酬比例部分の乗率
昭和21年4月2日〜生まれの方
・平成15年3月までの平均標準報酬月額にかける率 7.125/1000
・平成15年4月以降の平均標準報酬月額にかける率 5.481/1000
 
2.障害をお持ちの方
障害厚生年金の1級〜3級に該当する程度の障害をお持ちの方
 
3.厚生年金の加入期間が44年(528月)以上の方
16歳から働いており、厚生年金に加入していた方です。
 
1の条件に当てはまったとしても60歳からは受け取れないため、60歳からの収入がない場合、年金の繰り上げ受給という方法があります。繰り上げ受給は、通常の受給より減額されますが、どのくらい減額されるのでしょうか?
 

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年金の繰り上げ受給とは?

年金は65歳以降からしか受け取れませんが、60歳から繰り上げして受給することができます。しかし、繰り上げ受給にはデメリットがあります。
 
1.年金が減額され、終身続くこと
繰り上げたときの減額率は次のとおりです。国民年金のみの場合の金額増減の例
満額年77万9300円、月約6万4941円
(平成30年4月分からの満額を参考、年によって変わります。)
 
なお、満額支給のためには、40年間の全期間保険料を納めている必要があります。
 

 
2.夫の年金を繰り上げた後で、障害状態で受け取れる障害年金、または夫の万一のときに妻が60歳から65歳まで受け取れる寡婦年金を受け取れなくなります。
 
3.妻が年金を繰り上げ受給し、夫が亡くなった場合、本来年金より金額の大きい遺族年金を受け取れるはずですが、受け取れません。
 
4.国民年金の受給額を増やすことのできる任意加入ができません。
 

60歳で繰り上げ

繰り上げてしまうと、生涯減額された年金を受け取らなければいけないリスクはありますが、60歳から65歳までどうしても生活が立ち行かない場合は考えるのも一考だと思います。
 
繰り上げ受給にはデメリットが多いため、減額された金額と実際にかかる生活費を考えて、繰り上げをするかどうかをじっくり考えましょう。
 
Text:大堀 貴子(おおほり たかこ)
CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員