61歳で退職 VS 65歳以降で退職 年金と失業保険においてお得なのはどっち?
配信日: 2019.01.22 更新日: 2024.09.06
一方、年金は65歳からの受給が基本ですが、申請すれば60歳からの受給も可能です。
昨今は60歳以降も仕事をする人は珍しくありませんが、雇用保険と年金は同時に受給でない仕組みになっており、60歳以降の雇用保険受給の際は注意が必要です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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失業保険とは
失業保険の正式名称は「雇用保険」です。雇用保険は働いていた職場を辞めた際、つまり失業した際に適用される保険のため、通称で、失業保険とも呼ばれます。
何らかの理由で職場を退職することになったときは雇用保険が適用され、保険金という形で現金が給付されます。雇用保険は会社に勤めている間、給料から天引き(保険料は会社と折半)される形で、毎月保険料を支払っています。
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失業保険の適用条件
失業した際に雇用保険を適用するには、最低でも半年以上、雇用保険に加入している必要があります。このため勤め始めてから半年以内で退職した場合、雇用保険は適用されません。
雇用保険の給付が開始されるタイミングは、自己都合で退社した場合は雇用保険の申請受理から3ヶ月後です。つまり離職から3ヶ月は保険金がもらえません。
会社都合で退社した場合は、雇用保険の申請受理から7日後に給付が開始されます。自己都合と会社都合では、給付開始日が約3ヶ月も違う点に注意しましょう。
雇用保険は支払っている期間が長いほど、また年齢が高いほど、保険金の給付期間が長くなります(最短で90日間、最長で360日間)。
年金の基本的な仕組み
年金の受給は65歳からが原則ですが、希望者には60歳からの「老齢基礎年金の繰り上げ支給」、または70歳からの「繰り下げ支給」が適用されます。繰り上げ支給した場合は受給額が少なくなり、逆に繰り下げ支給した場合は受給額が上がります。
繰り上げ支給で60歳からの支給を希望した場合は、65歳からの通常支給と比べて3割程度少なく、繰り下げ支給で70歳からの支給を希望した場合は、65歳からの通常支給と比べて4割程度多くなります。
支給のタイミングによる受給額の増減は平均寿命を基準に設定されており、仮に平均寿命程度まで生存すれば損得無しの計算になります。
61歳で退職したときのケース
本来、65歳から支給となる年金ですが、申請すれば60歳から受給が可能です。繰り上げ支給は仕事の有無に関係ないため、60歳以降、仕事をしながら年金を受け取ることも可能であり、実際にその状態の人は多く存在します。
60歳から年金を受け取っている人が、もしも仕事を退職した場合、雇用保険と年金を同時に受け取ることはできません。厳密には、雇用保険を受給している間は年金の支給が全額停止になります。60歳から年金の「繰り上げ支給」を検討している場合はこの点に注意です。
65歳以降で退職したときのケース
雇用保険は20~65歳までが、いわゆる通常の雇用保険による、「基本手当」ですが、65歳以降は「高年齢求職者給付金」になります。高年齢求職者給付金は65歳以上を対象にした雇用保険のようなもので、受給条件も雇用保険とほぼ同様です。
雇用保険は年齢や加入期間により、最短で90日間の支給、最長で360日間支給されるのに対し、高年齢求職者給付金は最長で50日分、最短は30日分です。どちらも一括で受け取ることができます。
上記の解説で、年金と雇用保険は同時に受給できないと解説しましたが、65歳以降の「高年齢求職者給付金」の場合は年金との同時受給が可能です。
まとめ
「高年齢求職者給付金」は65歳以降の雇用保険に当たる存在なのですが、その内容は65歳未満の雇用保険と比べてかなり脆弱と言わざるを得ません。しかし年金と同時に受給できる点を考えれば、雇用保険の受給で一時的に年金が停止するよりは、トータルの受給額が大きくなる可能性があります。
65歳以降の「高年齢求職者給付金+年金」と通常の雇用保険(年金は一時停止)のどちらが得か、を検討してみるといいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部