更新日: 2019.06.14 国民年金

国民年金保険料がたったの100円?昔と今の国民年金保険料

国民年金保険料がたったの100円?昔と今の国民年金保険料
少子高齢化時代になり、昔より少ない現役世代で多くの高齢者を支えていかなければなりません。公的年金においても、多くの給付を支えるために現役世代が払う保険料は上がり続けてきました。
 
持続可能な公的年金制度を維持するために必要な措置だったのでしょうが、一体どのくらい上がり続けてきたのでしょうか? 過去の保険料を確認し他の指数と比べてみました。
 
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

1961年当時の国民年金保険料はたったの100円!

日本年金機構のホームページに載っている国民健康保険料の変遷から過去の国民年金保険料を調べ、1961年(昭和36年)から毎年4月の月額保険料を折れ線グラフでつなげてみました。
 
1970年(昭和45年)までは35歳未満と35歳以上で保険料が異なり、グラフでは保険料の高い35歳以上の方を使っています。
 
国民年金保険料の変遷

 
資料:日本年金機構ホームページ
 
1961年当時、国民年金保険料は35歳未満が100円、35歳以上が150円でした。それから58年間、毎年のように国民年金保険料は上がり続け、2018年(平成30年)には月々16,340円になっています。
 
1961年の150円から5,000円を超える1982年までに21年、そこから10,000円を超える1993年までに11年、さらに15,000円を超える2010年までに17年それぞれかかっていることから、1980年代前半から1990年代前半にかけての保険料が特に急上昇しています。
 
デフレにより過去3回(2011年・2012年・2018年)保険料が下がったこともありましたが、それでも1961年と比べたら現在の保険料は実に109倍にもなっています。
 
35歳未満の保険料で比べたら163倍にもなります。数字だけを見たら物凄い上昇と言えますが、この間に物価上昇も当然あったので、このグラフだけではなかなかイメージしづらく、何か比較対象がほしいところです。
 

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国民年金保険料の上昇スピードはTOPIXと比べると一目瞭然

そこで、国民年金保険料の推移を、物価に比較的連動している株価と比べてみました。下記のグラフは国民年金保険料とTOPIX(東証株価指数)を比べたものです。
 
TOPIXは基準日1968年1月4日の東証一部上場株の時価総額を100としているので、今日の株価水準を1968年当時と比べることができます。
 
グラフではTOPIXは毎年年末の指数を載せており、数日の誤差がありますが1967年の年末を100としています。国民年金保険料は1967年4月の保険料250円を100としてTOPIXに合わせています。
 
国民年金保険料とTOPIXの推移

 
青色線のTOPIXは不動産バブル期の1989年に2881まで上昇しましたが、バブル崩壊後は長期低迷し、ITバブルなどがあっても1989年を超えることはなく、直近の2018年は1494で1989年の半分程度に留まっています。
 
赤色線の国民年金保険料は1973年まではTOPIXを下回っていましたが、1970年代半ばから上昇スピードが速まり、1974年以降はTOPIXに一度も抜かれることなく今日を迎えています。
 
TOPIXが2881を記録した1989年でも国民年金保険料の3200には及びませんでした。2018年は6536まで上昇しており、今後TOPIXが再逆転する日は当分ないでしょう。
 
TOPIXは52年間で約15倍になったのに対し、国民年金保険料は同期間で約65倍になっています。昔の保険料が低すぎたのかもしれませんが、それだけ保険料を上げていかないと持続できない公的年金制度の厳しさがよく表れています。
 
グラフを作成しながら感じたのは、もし国民年金保険料とTOPIXの線が逆になっていれば、日本の景気も国民の懐事情も現実より相当良い状況になっていたのではないでしょうか。国民年金保険料がTOPIXを下回る時代がいつか来ることを願いましょう。
 
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
 

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